CompTIA マーケティング/チャネル ディレクター
2020.07.06
はじめまして。
CompTIAでマーケティングを担当しています吉村と申します。
CompTIAの名前を初めて聞かれる方も多くいらっしゃると思いますので、少しご紹介をしたいと思います。
CompTIAは、1982年に発足したグローバルで活動をするITの業界団体です。米国シカゴに本部を置き、グローバルでは10拠点があります。CompTIA日本支局は、その中の一つで2001年から活動をしています。
▲ CompTIA本部(イリノイ州・シカゴ)
CompTIAの最も重要なミッションは、IT業界が継続的に発展していくための支援を行うことです。そのために必要となる業界の調査活動やコミュニティ活動、そして人材育成活動を行っています。CompTIA日本支局では、人材育成活動を中心に様々な企業や学校機関の支援を行っています。
CompTIAの詳細については、ぜひこちらのサイトも ご参照ください。 ⇒ CompTIA日本支局ホームページ |
私自身は、約20年間、様々な形で人材育成、IT認定資格に関連する仕事をしてきました。今回のコラムでは、数回にわたり、人材育成の現状や課題、そしてIT認定資格の効率的な使い方などをご紹介できればと思います。
さて、最初のトピックは、そもそも「認定資格って必要なの」という基本的なところを少しお話したいと思います。
言うまでもありませんが、認定資格は「免許」と違い、なくては仕事ができないわけではありません。特に、IT業務においては、「勘と経験」があるので認定資格なんていらないという方も多く見られます。私自身、これを否定するつもりはありませんが、ではなぜ、多くの企業や個人の方が認定資格を取得しようとするのでしょうか。この理由を改めて確認することで、時間とお金をかけて認定資格を取得する意味が見えてくると思います。
認定資格を取得する最も大きな目的は「スキルの証明」です。取得する側は「スキルを証明する」、そして取得を推奨している側は「スキルを証明させる」ことが可能となります。
認定資格には、必ずどのようなことを評価する認定資格かという定義がされています。例えば、CompTIA Network+というネットワーク業務を行う方向けの資格では「ネットワーク業務における9~12ヵ月のネットワーク業務経験値を評価」と定義されています。※1そして、この定義に合わせてCompTIAでは出題範囲といわれる試験の出題内容が公開されています。CompTIAに限らず、すべての認定資格はこのように、どんな人のどんなスキルを対象にして、どんな内容の試験が行われるかが公開されています。
どの認定資格でも、これらをきちんと確認することで、自身がどんなスキルを証明できているか、またはどんなスキルを持っている人材なのかを明確に理解することが可能となります。これは企業における業務と人材のミスマッチを防ぐことにつながります。そのため、CompTIAの調査では、実に企業の80%近くが、認定資格を取得しスキルを証明することが重要であると回答しています。※2 ミスマッチを防ぐことにより、業務の生産性が上がることはもちろんのこと、社員の満足度が高まり、ひいては社員の定着率が高くなることが報告されています。
そして、もう一つの認定資格の大きな役割としては「スキルの平準化」があげられます。スキルを習得する上では、認定資格は一つの選択肢と考えられます。その他には「OJT」や「自己啓発(Off-JT)」があるかと思います。どれもスキルを習得する上では正解です。
但し、業務で必要となるスキルとなると、下図のような不都合が出る場合があります。(もちろん、必ず不都合が出るわけではありません!)
業務に合わせて適切な認定資格を取得することで、その業務に合わせた「スキルの平準化」を行うことが可能です。言い換えるのであれば、業務に「不得意項目」をなくすことが可能です。
業務を行うプロフェッショナルとしては、これはできるけど、これはできない……とは言えません。見落とされがちですが、不得意項目をなくすことは、とても重要なことなのです。
そして、もう一つの大きな役割は「経験値の早期獲得」です。
先程、CompTIA Network+は「ネットワーク業務における9~12ヵ月のネットワーク業務経験値を評価」と書きました。言い換えると、CompTIA Network+を取得することで約1年間、実業務を経験するのと同等のスキルを習得することができます。
新入社員教育で認定資格が多く活用されているのは、この理由からです。また、転職やキャリアチェンジといった際にも有効に役立ちます。
そして、企業にとっては、変化の激しいITの中で、可能な限り早くスキルを習得することで、確実に業務を実施することができる人材を確保することを可能とします。
もちろん、その他にも認定資格を取得する様々な意味はあります。ただ、多くの場合、紹介したような3つの理由から認定資格を取得されているケースが多く見られます。
そして、タイトルにもある「認定資格って必要なの」を考える上では、これらのポイントから再度検討をいただくと、必要性が見えてくるかもしれません。
※1 試験のバージョンにより、定義が異なる場合があります。
※2 Evaluating IT Workforce Needs ~ITワークフォースのニーズを評価する/日本サマリー~
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