社員の英語スピーキング力は可視化できていますか?

株式会社プロゴス 取締役会長安藤 益代

2022.06.06

社員のスキルを可視化する必要性は昨今ますます高まっていますが、社員の英語力、とくにスピーキング力を把握できていないと感じる人事担当者様は、ぜひご一読ください。

1.グローバル戦略を担う人材の英語力
2.国際標準CEFRのすすめ
3.聞く・読む力と話す力のアンバランス
4.なぜスピーキング力測定が進まなかったのか?
5.スピーキング力の可視化はPROGOSで一挙に解決


 

1.グローバル戦略を担う人材の英語力

人事部門は、企業戦略を実行するための人事施策や人材育成について説明を求められます。企業戦略としてグローバル事業の拡大を掲げる企業も多い中、それを実現する人材の英語力が不可欠です。例えば、クロスボーダーM&Aで事業拡大を目指す企業には、M&A後に価値を生み出すことができるPMI(Post Merger Integration)を担う人材が必要です。しかし、日本企業のM&Aが思うように進まない理由として、日本人のコミュニケーション能力と語学力にあるという報告書も出ているほど、英語力不足は深刻な問題となっています。

グローバル戦略を担う社員の英語力はどんなレベルで、それをどのように習得させたらよいのでしょうか?

 

2.国際標準CEFRのすすめ

グローバル戦略を担う人材の英語指標としては、これからはCEFRを使うことをおすすめします。CEFR はセファールまたはシーイーエフアールと読みます。「Common European Framework of Reference for Languages」の頭文字をとったもので、「ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されています。多言語社会であるヨーロッパで、学習者の評価、学習、指導のために使う共通の枠組みとして開発されたもので、対象言語は英語だけとは限りません。グローバルに拠点展開をする企業にとって、CEFRは多くの言語能力の物差しとして使えるのでとても便利です。

さて、英語に話を戻しましょう。企業の英語力の基準としてCEFRを使うことをお勧めする理由は次の3つです。

 

 

1)スキル基準としての国際通用性と汎用性がある
多くの国の英語教育政策、大学入学、そして企業の採用時の語学基準に使われています。
2)4技能ごとにCEFRレベルで評価できる
総合力に加えて読む、聞く、話す、書く、の4技能別にレベルを測れます。
3)実践的な言語運用能力を重視している
言語を使った実践力、つまりコミュニケーションの目的を達成できるかどうかを重視します。

 

 

 

3.聞く・読む力と話す力のアンバランス

皆さんの会社では、英語力について何か社内基準を設けていますか?ビジネス英語テストとして広く知られているTOEIC® L&Rのスコアを基準にしている企業も多いことでしょう。このテストはしっかりと設計された信頼のおけるテストですが、このスコアをもとに国際部署に配置したら、あまり英語を話せなかったという話もよく耳にします。また、英語コミュニケーション研修参加時の選抜やゴール設定・効果測定に、スピーキング力の尺度が用いられていないという矛盾も生じてきました。よって、リスニング・リーディングの能力だけを社内の英語力基準にすることに疑問を感じている担当者も少なくないのではと思います。

下記の表は、前述のCEFRという共通の物差しを使って、5000人強のビジネスパーソンのリスニング・リーディング力とスピーキング力を比較対照したものです。この調査では、TOEIC® L&Rで800点近くてもそれと同じCEFRレベルで話せる人は10人に1人にも満たないという結果が出ています。このようにCEFR比較により、リスニング力・リーディング力のスコアではわからなかったスピーキング力の実態が明らかになりました。

図:CEFRによる4技能別能力比較

グローバル戦略を実行できる人材要件を考えたときに、英語コミュニケーション力におけるこうしたアンバランスは是正してゆかなければなりません。

 

4.なぜ英語スピーキング力の測定が進まなかったのか?

このようなアンバランスがありながらも、社員のスピーキング力を測定しているのは2割弱の企業しかありません(当社調べ)。これには理由があります。

品質の高い信頼のおけるスピーキングテストは、リアルなコミュニケーション力を測定するので、設問に対して受験者が自分で答えを考え英語で発話する自由回答形式を用いる必要があります。今までは、厳しいトレーニングを受けた採点官が採点するしかなく、そのために実施コストや運営の手間、採点官の人数に連動した受験人数の上限や、結果返却までの時間の長さなどの使いづらさが伴い、企業内で大規模に実施するハードルを上げていました。

また、基準となる英語力がリスニングとリーディングで測定されるとなると、そのテストのための勉強、すなわちインプット中心の学習に偏ってしまいます。これがスピーキングに対する心理的なハードルを上げてきたという側面もありました。

PROGOSの受験の様子(▲ PROGOSの受験の様子)

 

5.スピーキング力の可視化はPROGOSで一挙に解決

これらスピーキング力測定のハードルを一気に取り除いたのが、ビジネス英語スピーキングテストPROGOS(自動採点版)です。前述の自由回答をAI活用で自動採点することを実現し、費用、利便性、アクセス全ての点でブレークスルーをもたらしました。

PROGOSテストには次のような特長があります。

1. 受験がオンラインで完結
2. 指定期間中なら24時間いつでもどこでも受験が可能
3. 結果の返却まで数分で完了
4. テスト結果はCEFRに準拠した内容
5. 実施人数の上限はなく大量受験も可能
6. 費用は1テストあたり税込550円と従来の1/10以下

PROGOSは20分のオンラインテストで、PC、スマホ、タブレットでの受験が可能です。テストデータは人事担当者様も管理画面から取得でき、社員のスキルの可視化が簡単に可能になります。そして、データは育成計画や配置、研修設計、タレントマネジメントなど様々な人事施策に活用することができます。

PROGOSでは、専門知識豊富な担当者が豊富な事例をご紹介しつつ、各企業様に対して、テストから得られる分析からソリューションまでをご案内いたします。

TACでは語学研修として、TOEIC® L&R TEST 対策、ビジネス英会話、英語プレゼン、英語ネゴシエーション、異文化理解、異文化共生まで幅広い内容をワンストップサービスとして提供しております。もちろん、対面、オンライン研修双方に対応しております。

語学研修のクラス分けや研修参加者の選抜として、PROGOS社が提携するスピーキングテストを活用することで、参加者にフィットした内容を組み上げることができます。
「成果の出る研修を実施したい」と考えられている研修担当者様は、ぜひTACまでご相談ください。

■ 研修担当者必見!成果を出すためのビジネス英会話研修

研修担当者必見!成果を出すためのビジネス英会話研修

Profile
安藤 益代
野村総合研究所、ドイツ系製薬会社を経て、渡米。滞米7年半の大学院/企業勤務経験を経て帰国。シカゴ大学修士。ニューヨーク大学MBA。英語教育・グローバル人材育成分野にて25年の経験を有する。
国際ビジネスコミュニケーション協会で、TOEIC®プログラムの企業・大学への普及ならびにグローバル人材育成の促進などに本部長として携わる。EdTech企業執行役員を経て2020年よりレアジョブグループに参画。国内外のEdTechコンテストの審査員も歴任。講演、インタビュー、執筆多数。
2022年4月より現職。

一覧に戻る