【レポート】多文化共生&チーム力アップ 研修【体験会】

2023.03.28

「出自、国籍、世代、性別、経験、知識、能力……。さまざまな「異なるもの(=異文化)」からなる多様性を活かせていますか?」

企業を取り巻く環境が加速度的に変化する中では、多様な個人がお互いを尊重し認めあう「ダイバーシティ&インクルージョン」に取り組み、イノベーションを生み出していくことが重要です。

TACでは、多文化の共生に必要なオープンマインドと、多様性の強みを理解し、グローバルに活躍できるチーム力がアップすることを目的とした、グローバルマインドの醸成やチームビルディングを行う研修をご用意しております。

今回は、実際にTACの社員が、株式会社メディア総合研究所の福田 訓久(ふくだ・くにひさ)講師による、「多文化共生&チーム力アップ 研修」を体験した模様のレポートをお届けします。

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―――アイスブレイク

研修体験会には、TACの2、30代の若手社員を中心に、部長たちも混ざって、様々な部署から30名ほどの社員が参加しました。

まず、福田講師から自己紹介がありました。アメリカで、ネイティブアメリカンのナヴァホ族のコミュニティで暮らし 、ナヴァホ族の部族大学に通った経歴を持つ福田講師。地域唯一の日本人としてコミュニティのマイノリティでありながら、その中でも力を発揮していく術を身につけた当時の経験をバックボーンに、異文化コミュニケーションや多文化共生の研修を行なっています。

講師の自己紹介の後、参加者は4~5名ずつのチームに分かれ、一人一人がチームメンバーに対して自己紹介を行いました。次いで、それぞれのチームでメンバー同士の「意外な共通点」をピックアップして発表しました。意外な共通点を探すプロセスで、「血液型」「ネコ・イヌ派」「兄弟構成」「人差し指より薬指が長い」など、様々な視点が出たようです。

福田講師から、今日のワークショップも様々な視点を持って臨みましょうと声がけがありました。


―――ワークショップ①「バーンガ」

福田講師から、「チームとは」「SDGsとは」「DEIとは」「多様性とは」についての講義があった後、一回目のワークショップとして、異文化コミュニケーションを体験するゲーム「バーンガ」を行いました。

「バーンガ」のルールは「話さない」こと。

参加者は、講師から各チームごとに配られた、「アリ」「ライオン」などの生物の名前が書かれた20枚ほどの紙を、チームそれぞれに与えられた、「足の数が多い順」や「大きい順」などのお題に即して、メンバーと言葉でのコミュニケーションはとらずに、順番に並び替えていきます。

全てのチームが問題なく並び替えを終え、一回目のゲームは終わりました。

次に福田講師から、それぞれのチームの半数のメンバーを別のチームのメンバーと入れ替えるよう指示がありました。

チームメンバーの入れ替え後、再度講師から「カードを並び替えてください」と指示が出ると、一回目のゲームとは雰囲気が変わり、それぞれのチームに動揺が見られました。中には、身振り手振りで懸命にメンバーに何かを伝えようとしている人も。また、並び替えが完成したはずのチームも、メンバーの数名は不可解な表情をしています。

ここに、このワークからの気づきを促す、ある仕掛けがあったようです。

このワークショップを終えて、講師からこのワークのどのようなポイントが普段の業務にフィードバックできるかという問いかけがありました。

「目的の共通認識を確認することが大事」「自分の意見はメンバーにハッキリ伝える」「マイノリティの気持ちに寄り添うことが必要」など、様々な意見が参加者から上がりました。


―――ワークショップ②「商店街」

二つめのワークショップでは、お店の名前が空欄になった商店街の地図が各グループに配られ、メンバーそれぞれにはお店の配置のヒントが書かれた紙が数枚ずつ配られました。

ワークのルールは、「他者に自分のカードを見せない」「他者のカードは見ない」こと。

お互いのカードは見ずに、それぞれ自分が持っている情報をチームメンバーと会話で擦り合わせながら、商店街の地図にお店の名前を書き込んでいきます。地図が完成したチームが続々と手を挙げる中、制限時間間際になっても、なかなか地図が完成しないチームもありました。

ワークを終えて福田講師から、ワークの振り返りとして、情報共有の大切さや、情報を一人が抱え込むことの危険性、また情報の取りまとめ役の重要性についてお話がありました。

また、福田講師からこのワークのどのようなポイントが普段の業務にフィードバックできるかという問いかけがあり、「情報を出すタイミングを見極めることが大事」や、「情報共有しやすくするために、心理的安全性のある環境づくりが必要」などの意見が参加者から上がりました。


―――ワークショップ③「正方形」

三つめのワークショップでは、各チームに様々な形をした紙のカードが複数枚配られました。

ワークのルールは「話さない」、「他者からカードを奪わない」「自分に不要なカードはテーブルの中央の白紙の上に置く(必要なカードはそこから取る)」こと。そして、配られたカードを使って、チームメンバーが各自正方形を作り、全員同じ大きさの正方形ができることがゴールです。

各チームそれぞれのメンバーが、無言でカードを組み合わせながら正方形を作り始めました。メンバー全員が正方形を完成させたチームから手を挙げていきますが、最後まで完成しないチームもありました。

福田講師は、ワークを振り返り、「個人のゴールとチームのゴールを両立させる」には、メンバーが個人のゴールを意識しすぎたり、自分の形を崩すことを嫌がったりすることなく、正方形が完成しないメンバーには、他のメンバーが自分の出来上がった正方形をいったん崩してでも自分のカードを差し出さないと、チームとしてのゴール(全員同じ大きさの正方形)にはたどり着けないことをお話しになりました。


―――ワークショップ④「多文化共生」

三つのワークを終えた後、「チームの理解」について講義がありました。

最後に、福田講師が参加者全員にテーブルに顔を伏せるよう指示をし、参加者それぞれの背中に様々な色のシールを貼っていきました。

全員の背中にシールが貼られると、顔を上げた参加者に向け、福田講師からとある「チーム分け」の指示が。

 

……すると何が起きたでしょうか?


最後のワークショップの終了後、福田講師より今一度、DEI―「ダイバーシティ(多様性)」「エクイティ(公平性)」「インクルージョン(包括性)」―の、企業における重要性についてお話しがあり、研修体験会は終了しました。

参加者からは「“正解がない”課題に向き合うことができた」「自部署のメンバーや、普段業務上は関わる機会のないメンバーともコミュニケーションの機会が持ててよかった」などの声が上がりました。

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Profile
福田 訓久(ふくだ・くにひさ)講師
株式会社メディア総合研究所 アメリカ先住民部族大学を日本人2人目として卒業。 帰国後、インターナショナルスクールの教員として国際教育に従事。異文化コミュニケーション、多文化共生、ファシリテーション、チームビルディング、比較文化、国際理解等の教材作成、研修開発、講師を担当。 JICA 教師海外研修では、ルワンダ、カンボジア、ブラジル等での研修も実施。年間80件ほどのワークショップ研修を行う。

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