ウィズコロナの今こそ心理的安全性が高いチームを作る

TAC株式会社 法人営業2部馬原 健太

2021.12.20

日本国内で新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が始まってから、はや2年が経過しようとしています。長く続いた緊急事態宣言は2021年のうちに解除となったものの、変異株の登場による感染者数の増加や、海外における感染拡大の状況などを考えれば心配の種は多く、まだ油断は禁物という状況といえるでしょう。
一方で、長く停滞していた社会経済活動が、ウィズコロナで守られるべきルールに則り、再始動するなかで、今、ビジネスの現場における組織作りにおいては、改めて「心理的安全性」という概念に注目が集まっています。

簡単にご説明すると、この心理的安全性(サイコロジカル・セーフティ:psychological safety)とは、1999年にハーバードビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授によって提唱された概念です。
これは、あるチームにおいて、そのメンバー一人ひとりが「自分がどんな行動をとっても、他のメンバーから否定や非難されることはない」と感じ、実際に遠慮などすることなく発言や行動できるような状況(これを「心理的安全な状態」とする)を作り出すことにより、チームにおいて、各メンバーが自身の力をいかんなく発揮できるようになる、というものです。この点については、ご存じの方が多いことでしょう。

この心理的安全性が最初に話題の中心に加わったのは、2015年11月にGoogleが「チームの生産性を高めるための唯一の方法」としてとりあげたタイミングであったといえるでしょう。
このときGoogleは、自社の情報サイト『re:Work』において、アメリカの大手通信社AP通信との共同研究の結果を発表しましたが、そのなかで「チームを成功へと導く鍵」としてあげたのが ① 心理的安全性、② 信頼性、③ 構造と明瞭さ、④ 仕事の意味、⑤ 仕事のインパクト の5つの項目であり、なかでも心理的安全性については、「チームの成功に最も重要な要素である」としたのです。誰もが知る巨大IT企業Googleの発表は、多くの企業に大きなインパクトを与え、多くの企業が心理的安全性に着目しました。

その後も、さまざまな場面で話題となった心理的安全性ではありますが、前述の通り、このウィズコロナの状況において、改めて多くの企業において「チーム環境をつくる土台」として取り入れられつつあります。
その注目度の高さは、さきごろ発表された「HRアワード2021」(主催:日本の人事部「HRアワード」運営委員会、後援:厚生労働省)において、書籍部門の優秀賞として『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』(エイミー・C・エドモンドソン著・野津智子訳/英治出版)が選出されたことからも、ご理解いただけることでしょう。

実際に私共TACでも、この心理的安全性に関する研修等についてのお問い合わせが増えているほか、TACからのご提案により、研修導入を決める企業様が増えつつあります。

ただ、「サイコロジカル・セーフティ」の日本語訳である「心理的安全」という言葉の響きから、どこか「ぬるま湯につかるような関係」とか、「お友達組織といった、仲が良いだけの関係」をイメージする方も少なくはありません。
もちろん、それは間違った解釈です。少なくともコロナ禍において痛んだ従業員を癒すといったことや、チームメンバーにとって「優しい組織」を構築するという意味で、この心理的安全性というキーワードが再注目されているのではありません。

今一度、お伝えしたいのは「心理的安全な状態」というものは、「チームのメンバー一人ひとりが、自分がどんな行動をとっても、他のメンバーから否定や非難されることはないと感じ、実際に遠慮することなく発言や行動できるような状況」だということです。これにより所属するメンバーは、チームのなかで遠慮をすることなく、しっかりと言いあえるし、行動することができます。万が一失敗したときでも、不当に責められるようなことはなく、お互いにフォローしあえると感じているわけです。

信頼しあえる関係にあるからこそ、各メンバーは全能力を発揮し、高いハードルにもチャレンジすることができます。おそらくチームの雰囲気としては「仮にリスクをとってでも、チャレンジすることができる」という方向に向いているはずです。いわば、心理的安全な状態になれば、「(安心だからこそ)チャレンジすることを恐れないチーム」となるわけです。
コロナ禍で停滞していた社会経済活動を再び活発化させるためには、まさにそういったチームが必要ではないでしょうか?

VUCA時代といわれるなかで起きたコロナ禍にあって、今こそ、すべての企業がビジネスを進展させる時を迎えました。変革という意味で、真のDX(デジタルトランス・フォーメーション)を推進していくためには、組織の土台として「心理的安全性」が高めるべきです。そうすることで生まれる「チャレンジすることを恐れないチーム」が必要となっている、だからこそ、心理的安全性が再注目されています。
TACでは、ヒューマンスキル系研修の一つとして、「チーム力を高める「心理的安全性/サイコロジカル・セーフティ」の作り方」をご提供しております。管理職の方やチームリーダーを対象としたこの研修により、チーム内で風通しの良い、円滑なコミュニケーションがとれるようになり、一体感が生まれるようになります。また、業務のイノベーションや革新的な改善に繋がります。

<参考>研修のご案内
 チーム力を高める「心理的安全性/サイコロジカル・セーフティ」の作り方

いまだコロナ禍にあるなかで、引き続きリモートワークやテレワークが行われる企業もあるかと思います。一方で、状況を見据えて、あえてリモートから出勤の体制に戻りつつある企業もあることでしょう。新しい働き方はさらに複雑化していきます。そんな状況の中、単に概念を説明するだけの研修では、チーム環境をつくる土台に心理的安全性が加わることはありません。
数々の経験を持つTACだからこそ、受け入れの障害なく、かつチーム共通の意識として心理的安全性を持てるよう、導くことができます。また、研修を経て変化しようという意識が高まっても、現場との関係性が変わらなければ、やはり抵抗感が生まれ、行動は変わりません。TACではこういった点も十分考慮したうえで、効果的なアプローチにより、受講者の意識を変えていきます。

目に見えない心理的安全性と、その重要性にお気づきの皆様に、ぜひこの心理的安全性の強化につとめ、この時代を乗り切っていただきたいと思います。
そのためにも、TACに心理的安全性の確保と強化のお手伝いをさせていただければ幸甚です。

※ 「HRアワード」(主催:日本の人事部「HRアワード」運営委員会、後援:厚生労働省)
https://hr-award.jp/
※ Google LLC『re:Work』サイト
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness/steps/identify-dynamics-of-eff
ective-teams/

Profile
馬原 健太
TAC株式会社 法人営業2部
第2グループ

TAC株式会社の法人営業担当として、数々の企業研修の実施や社員向け自己啓発コンテンツの提供に携わる。IT関連の資格や実務研修を中心とし、ヒューマンスキル系の研修についても知識と経験を持つ。
TACが実施しているヒューマンスキル系研修については、こちらをご覧ください。
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