コラム
ナトラ合同会社 代表
経営コンサルタント・人財開発コンサルタント
元大手食品メーカー・グループ企業 代表取締役社長
2026.04.24
世界に数ある大学の中で、ランクをつけると常に上位に入る大学、それが、ハーバード大学です。設立は1636年。日本ではトップである東京大学も世界で見ると第26位(Times Higher Education 2026による)。前年の28位から順位を2つ上げましたが、それでも世界との差は開いていくばかりで、この差はなかなかうまらないように感じます。
ちなみにハーバード大学は世界ランキング第5位。上位には、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学等、多くは米国の大学で占められています。
今日ご紹介する、ハーバード大学の3つのマインドは、私のメンターの一人である、慶應義塾大学名誉教授の村田昭治先生からおききした内容です。

村田昭治先生は、慶應義塾の福澤基金による第1回目の派遣留学制度で、ハーバード大学へ留学され、その際にとてもインパクトを受けたということで、紹介されていました。
ただ、この話は、実は直接本人からおききしたのではなく、ラジオを通じて、教えていただいた内容です。
ずいぶん前になりますが、その当時、私の妻は、妹の出産のお手伝いのために、九州へ帰省をしていました。私は、小さな社宅に一人、めったに聴かないラジオのスイッチを、その時たまたまいれたのです。まさにこれも運命。もし、このころ、妻が妹のために里帰りしていなければ、また私がラジオをつけることがなければ、その後に大きく影響を与えてくださった、メンターである村田先生との出会いもなかったのです、まさにご縁というしかありません。
人生の不思議さを改めて感じる日々です。まさに運命は偶然の中にあるのかもしれません。
なにげなくきいていたラジオ番組は、村田先生と現役の大学生がいろいろと話をしている公開放送でした。学生が質問をし、それに村田先生がこたえていくという進め方でした。そのころ、マーケティングを学んでいたので、当然、村田先生の名前は知っていたものの、直接お会いしたことも、声を聴いたこともありませんでした。
ラジオを通じて声を聴いていると、村田先生の言葉は学生を勇気づけるメッセージにあふれていました。まさに背中をおす応援団長のような感じで、世の中にこんな大学教授がいるのかと驚きの連続でした。そのあたたかなメッセージを聴きながら、なんども涙することもありました。村田先生のその声には、はりがあり、つやがあり、まるで音楽のような素晴らしい声色でもありました。
ある学生が「人生に迷っています」というと、「そうだよね。人生は迷うよね」と話したあと、ご自身も三田文学に憧れ、慶應義塾に惹かれたものの、経済学を学ぶことになったことなどを赤裸々に語っていました。
迷うことは決してマイナスではないと、あたたかく、包み込むように語り、学生を勇気づけていたことがとても印象に残っています。
そしてその中で、留学時代に学ばれたという「ハーバードの3つのマインド」のことを村田先生が話し始めました。
まずは「オープンマインド」、心を開いて、いろいろなことを見ていく必要がある。そして人と接するときも委縮せず、オープンに心をひらいて会っていく必要がある。すべての人、友人、先生などに対して、心を開くことの大切さがあると言われました。
次に「テンダーマインド」、優しさにあふれたマインドのことで、人には特にやさしさが大切なんだと。優しい心が多くの人たちの心をひきつけていくのだと話されました。ハーバード大学のような力強い大学で、優しさを全面に伝えているというのも新鮮な思いで聴いていました。
そして「タフマインド」、優しさをとおすためには、タフでなければならないと伝えていました。レイモンド・チャンドラーの小説の中にも、こんな言葉がありましたね。「人はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」、このメッセージにもつながる考え方だと思います。
この3つのマインドはハーバード大学が大切にしている教えなのだといわれたのですが、時代の変化の激しい今の私たちにこそ、必須となる3項目のように感じますが、いかがでしょうか?
この言葉を村田先生が熱く語っているのをきいて、感動したことが昨日のことのように思い出されます。こんな素敵な先生は、どんな姿で、どのように言葉を発していくのだろう? という興味からお手紙を書き、私の三田での学びにつながっていきました。
先生のもとで学んだひとときはまさに宝物のような時間で、その時にご一緒した多くの方は、現在、大学教授としてご活躍されていて、いまだにお付き合いをさせていただいています。まさに村田先生の想い、情熱にご縁をおつなぎいただいているように感じ、感謝の日々です。
ご一緒させていただいた方々とのおつきあいは、まさに宝物そのものです。
人との出会いが人生をより豊かに、素敵なものに彩っていくことになります。
大いなる好奇心と少しの勇気をもって、出会いの扉をぜひたたいていくことをお勧めします。オープンマインドでぜひ人生を切り開いていきたいものですね。
村田先生との出会いもまさに運だと感じます。
運について、心理学者のリチャード・ワイズマンは、運のいい人が必ずもっている3つの性質を紹介しています。その3つは
| ① 外交的であること:外側の世界と熱心に関わろうとする ② オープンであること:チャンスを見逃さず、みつけたらつかみにいく ③ 神経症的な傾向が低いこと:リラックスして人生に対して楽観的。そして好奇心をもつこと。 |
まさにハーバードの3つのマインドにも通じる内容と感じます。
その考えそのものが運を味方にする考え方にもなっているのだと思います。
古代ローマの哲学者、セネカはこういっています。
「運とは、チャンスと準備が出会う場所」だと。
準備をしているものこそが、チャンスに気づき、そしてチャンスをつかんでいけるということなのでしょう。まさに「チャンスの風がふくまえに、しっかり凧をつくっておけ」ということにもつながります。
そのためにも、ハーバード大学の3つのマインドはいい学びになると感じます。
『ビジョナリー・カンパニー』というベストセラーを書いた、ビジネス・コンサルタントで作家のジェームズ・コリンズはこう言っています。
「人生で最も大切なのは、……どんな人に出会うかという運である」と。
私も共感します。あの時にメンターとの出会いがなかったら、あの時に今の妻との出会いがなかったら、人生そのものが大きく変わっていたことと思います。
出会いそのものが人生を変えていく。その運にいかに恵まれるかが人生の大きなカギだといわれています。
また人に会うという観点からいうと、私自身の感覚では、一度目よりも二度目に会う約束をする方が、難易度が高いように思います。
一度目は「なんとかお会いしたい!」という強い情熱だけで会うことができると感じます。ポイントは、その後にご縁が続くかどうかです。その続くかどうかにあたるのが、2回目に会う約束をいかにするかということになります。
初めてお会いしているときは、お互いが相手を目利きしている感覚、その時に「おぬしできるな」という感覚をいだいてもらわないと、次に会うことは難しくなることがあります。どこまでも誠実に、丁寧に接していくこともとても大切になってきます。そのコツはまた改めてお伝えしていきたいと思っています。

「セレンディピティ」という言葉があります。
全くの偶然によって、自分にとって好ましい出来事が起きること、「自分はついている」と思えるような偶然の出会いともいえます。
昨日のネガティブな出来事も見方をかえれば、今日のセレンディピティかもしれないとあきらめずに前を向いていきていくことも大切なことでしょうね。
地球は別名、行動の星といわれます。つまり、行動することによって、運が動き運が開ける。まず行動ということです。
運命、つまり運ぶ命です。自ら運んでいけることを信じることも大切。小さな一歩を億劫がらず、怖れず、人生のおおきな変革への道と考えて踏み出すこと、その一歩が人生の大きな変革につながることもあるのです。
ハーバード大学とならんで有名な大学がスタンフォード大学。スタンフォード大学の正式名称はご存知ですか?
実は「リーランド・スタンフォード・ジュニア大学」といいます。
大学創設者のリーランド・スタンフォードには一人息子がいました。その息子が若くして亡くなり、彼は深く悲しみました。そして、米国中の子供たちをまるでわが子のように育てていきたいという思いから、つくった大学、それがスタンフォード大学です。
この想いが今にながれているんだと思いますが、多くの素晴らしい人物を輩出していると感じています。ミッションをしっかりもった大学といえると思います。まさにマインドがしっかりしているということでしょう。
マインド、特に優しさは、今の社会でとても大切なキーワードに感じます。
「優れた人、優しき人」今こそ、大切にしたい、すてきなメッセージに思います。
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