認定NPO法人 乳房健康研究会様
Interview
[人事・教育担当者にうかがう、人材育成への取り組み]
「ピンクリボンアドバイザー認定試験」の立ち上げから運営まで。「乳がんにやさしい社会」の実現を目指し、認定制度を通じて正しい知識と寄り添う人材を全国へ
Interview
乳がんに関する正しい知識を広め、患者さんやそのご家族に寄り添える人材を育成する「ピンクリボンアドバイザー認定試験」。制度立ち上げ当初は、試験運営のノウハウや人員が限られる中、全国規模で信頼性の高い試験をどのように実現するか、大きな課題を抱えていた。本記事では、試験運営を支えるパートナーとしてTACを選んだ理由や、制度の立ち上げから認定制度の発展までの歩み、コロナ禍でのインターネット試験導入、そして認定者の活躍の場を広げながら「乳がんにやさしい社会」の実現を目指す今後の展望についてお話を伺った。
―はじめに、貴法人の事業内容についてお聞かせください。
私たちは、「乳がんにやさしい社会、正しい知識を身につけ、一人ひとりに寄り添える社会をつくる」ことを目的として、ピンクリボンアドバイザー認定試験を運営しています。
試験は初級・中級・上級の3段階で構成されており、初級・中級は年一回実施される会場試験・IBT試験(※)による認定資格です。中級は初級取得者のみ受験でき、いずれも3年ごとの更新制度を設けています。上級は研修を通じて認定する仕組みとなっており、知識だけでなく実践的な活動につなげることを重視しています。
これまで延べ約2万2千人以上の方が受験しており、医療従事者だけでなく、一般企業の社員や接客業など幅広い職種の方々に活用されています。例えば、ウィッグメーカーや下着メーカーでは、お客様から乳がんに関する相談を受ける機会が多く、認定を持つことで「この人なら安心して相談できる」という信頼につながっています。
認定取得者が専門知識を身につけるだけではなく、患者さんに寄り添う姿勢を示すことができる点も、この制度の大きな価値だと考えています。
※IBT試験:ご自身のPC、スマホ、タブレットで受験できる受験方式。
―TACのテスト事業サービスを導入されたきっかけや背景にあった課題を教えてください。
認定試験を立ち上げたのは2013年です。当初は全国の協力団体に運営を依頼して試験を実施することを検討していました。しかし実際に準備を進める中で、試験運営には想像以上に専門的なノウハウが必要であることが分かりました。
試験問題の作成はできても、全国の試験会場の手配、受験申込システム、マークシートの採点、受験票発送、当日の試験監督、合否管理など、多くの業務が発生します。当時、私が事務局として実質一人で準備を進めていましたが、試験運営の経験はなく「限られた人員で本当に実施できるのか」という不安がありました。
そうした中、先に話が進んでいた公式テキスト「ピンクリボンと乳がんまなびBOOK」を依頼していた出版社からTACさんを紹介いただきました。TACさんに相談し、「試験運営はプロに任せるべき仕事」だと実感しました。制度としての信頼性や受験者の利便性を担保するためにも、自分たちだけで準備を進めるのではなく、専門会社との連携が必要だと判断しました。

―具体的にどのような苦労があったのでしょうか。
立ち上げ当初は、試験運営の仕組みそのものをゼロから構築する必要がありました。
受験者情報をどのように管理するのか、インターネット申込をどう実現するのか、試験当日の運営フローをどう設計するのかなど、決めなければならないことが数多くありました。
TACさんには、申込システムの構築から受験者管理、試験会場運営まで一貫して支援していただきました。私たちの要望を丁寧にヒアリングしながらシステムを設計していただき、その仕組みは現在も継続して活用しています。
試験運営を一貫してTACさんにお任せできたことで、私たちは試験制度そのものの品質向上や広報活動に集中することができました。
また、限られた予算の中でも私たちの事情を理解し、最適な運営方法を提案していただけたことも大きかったです。試験の立ち上げから試験実施日までのスケジュールが非常に厳しい中でも迅速に対応していただき、「年内実施」という目標を実現することができました。
試験制度の開始後も、毎年の試験運営を一手に引き受けていただき、認定者に配布する合格証や認定証のデザイン変更や発送などの運営上の細かな相談にも、柔軟に対応していただいています。
―試験のIBT化もお任せいただきました。
コロナ禍ではIBT試験への移行にも迅速に対応していただきました。既にシステム基盤が整っていたため、受験方式の変更もスムーズに進めることができ、試験を止めることなく継続できたことは非常に心強かったです。特にピンクリボンアドバイザー認定試験は医療従事者も数多く受験しますので、ご自宅で安心して受験していただける環境を提供できたことは大きかったです。
現在では更新研修のeラーニングやWebセミナー、サテライト試験など、新たな取り組みにも柔軟に対応いただいており、長年にわたるパートナーとして大きな信頼を寄せています。
―今後の貴法人の事業の展望についてお聞かせください。
今後は、認定者一人ひとりがより活躍できる仕組みづくりを進めていきたいと考えています。
現在までに約2万人の認定者が誕生していますが、「合格した後、どのように社会貢献につなげればよいか分からない」という声も少なくありません。そのため、認定者が活動できる場をさらに広げることが今後の大きなテーマです。
その一つが、学校で実施される「がん教育」です。文部科学省・厚生労働省が推進するがん教育において、ピンクリボンアドバイザーの中から研修を受けた認定講師を、外部講師として学校へ派遣する取り組みを進めています。
また、企業の健康経営やCSR活動との連携も広がる可能性があります。社員教育として認定試験を活用する企業も増えており、こうした取り組みをさらに全国へ広げていきたいと考えています。
乳がんを経験された方の中には、「試験に合格したことで前向きな気持ちを取り戻せた」「自分にも社会の役に立てることがあると感じられた」という声も寄せられています。
ピンクリボンアドバイザーは知識を認定することにとどまらず、人と人をつなぎ、社会全体をよりやさしくする仕組みでもあります。これからも認定者の活動を支えながら、乳がんにやさしい社会の実現に向けて歩みを続けていきたいと考えています。
―TACテスト事業の概要
TACでは各企業や団体様が実施している採用試験や適性試験、昇進試験、社内試験や資格・検定試験について、その企画から運営、実施までをトータルサポートする「TACテスト事業」を展開しております。TAC各校でのテストセンターの運営、テストの配信を通じたCBT・IBT試験サービスの提供のほか、試験の運営計画立案、受験者の申込受付、収納代行、さらには試験の運営まで、それぞれのシチュエーションにおけるお客様のニーズに応じたサービスを展開。お客様企業や団体様が抱えている様々な負担を大きく軽減するサポートを実施いたします。
| 試験名称・実施団体 | 参考規模 | サポート内容 |
| ピンクリボンアドバイザー認定試験 認定NPO法人 乳房健康研究会 様 | 全国規模にて年1回実施 2025年受験者総数:約2,000名 (初級・中級合計) | ・全国11か所のTAC会場での一斉試験実施 ・同時にIBT試験の配信 ・合格発表手続き ・合格証、認定証発行 等 |

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Profile
高木 富美子(たかぎ ふみこ)氏
認定NPO法人乳房健康研究会 専務理事 事務局長。
大学卒業後、広告会社にて化粧品や健康関連の商品開発やメディア企画、イベントなどを長年担当した後、乳房健康研究会に設立準備段階から事務局スタッフとして従事。
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