株式会社HERO innovation様
Interview
[人事・教育担当者にうかがう、人材育成への取り組み]
個性を活かし、組織を強くする。急成長企業が挑んだリーダー育成改革
Interview
写真左:井上 洋市朗 講師/ 写真右:渡辺 文也 氏 「医療をもっとスマートに」をミッションに、医療機関向けのマーケティング支援やDX支援を展開する株式会社HERO innovation。中途採用を中心に組織を拡大し、社員数200名を目前に控えるなか、管理職ごとの経験や知識のばらつきが課題となっていた。さらに2026年4月には新卒1期生の入社も予定されており、組織としてのマネジメント基盤の強化が急務だったという。そこで同社はリーダー育成研修を導入。今回は、研修導入の背景やTACを選んだ理由、受講後に見られた管理職の意識変化、そして今後の人材育成の展望についてお話を伺った。
―はじめに、貴社の事業内容についてお聞かせください。
当社は、「医療をもっとスマートに」をミッションに掲げ、クリニックや歯科医院を中心とした医療機関向けに、マーケティング支援とDX支援を提供する企業です。患者の利便性向上と医療現場の業務効率化の両立を目指し、医療機関のホームページ制作や広告運用、集患支援に加え、WEB予約システム、WEB問診システム、自動精算機、電子カルテ入力支援など、ITサービスを通じて、医療機関の経営課題解決を総合的にサポートしています。近年は「スマートクリニック構想」を推進し、予約から問診、会計までをデジタルでつなぐ医療DXの実現に取り組んでいます。
―貴社の求める社員像や教育方針について、お聞かせください。
当社では創業当初から、一人ひとりの個性や強みを伸ばすことを重視してきました。そのため、社員にはそれぞれ独自の強みや得意分野を持つ個性的なメンバーが多く在籍しています。一方で、会社の成長に伴い、制度やルールの整備が進む中で、従来のやり方を好む人と新たな環境に適応する人との間で価値観の変化も生まれてきました。そうした経験を経て現在は、個性や専門性を大切にしながらも、当社の企業理念である「医療をもっとスマートに」や、5つの行動指針「挑戦する」「貢献する」「感謝する」「愉しむ」「誇りを持つ」に共感し、組織の方向性を共有できる人材を求めています。教育においても、社員一人ひとりの強みを伸ばしつつ、理念に基づいた行動を実践できる人材の育成を重視しています。
―リーダー育成研修を検討されたきっかけや背景について教えてください。
当社は創業13年目を迎えますが、これまでは中途採用のみで組織を拡大してきました。そのため、メンバーのバックボーンは飲食、アパレル、ウェディングなど多種多様です。組織の規模が50人程度までは、一定の役職者が全体をカバーし、そこに付随する形で組織が機能していました。しかし、社員数が200人を目前に控えた今、今後の成長を支えるためにも、改めて組織体制の強化が必要だと感じていました。その時の管理職の状況を確認してみると、それぞれの経験や知識に大きな差があることが浮き彫りになりました。これまでは「自社独自の文化やノウハウ」でなんとなく通用していましたが、社外の基準と照らし合わせたときに、「このままでは世間一般の管理職のレベルに達しない」という強い危機感があり、研修を検討し始めました。
―経験や知識の差とは、具体的にどんな苦労があったのでしょうか?
例えば、前職が上場企業だったメンバーはコンプライアンスを意識した手堅いマネジメントを好みます。一方で、ベンチャー出身のメンバーは勢いがあるものの管理面が緩くなりがちという傾向がありました。それぞれの価値観が異なるため、マネジメントのベースを統一することに非常に難しさを感じていました。そんな中、この4月(2026年4月)に新卒1期生を迎えることが決まりました。会社の成長に合わせて「組織としてのあるべき姿」をもう一度整え、新卒をしっかりと受け入れられる土壌を作ろうと考えるようになったのがきっかけとして大きいですね。

―TACを選ばれた決め手は何でしたか?
一番こだわったのは、「講師が現場でのビジネス経験(会社員やマネージャーとしての実績)を持っていること」です。私たちがリーダー育成研修に求めていたのは、教科書通りの「正論」を綺麗に話してもらうことではなく、実践で使えることです。「実際の現場ではこういう泥臭いケースがあるよね」「社長の方針と、現場の現実の間でこういう板挟みが起きるよね」といったことを、実体験に裏付けされた「生の声」で語れる講師でなければ、当社のリーダー層には響かないと思っていました。今回ご登壇いただいた講師の井上さんは、まさに現場を泥臭く生き抜いてこられた経験をお持ちでしたし、またタイトなスケジュールでも、柔軟に相談に乗っていただけたことも大きな決め手になりましたね。当初は全部で4日間のカリキュラムで企画していただきましたが、4月までにリーダー育成研修を終わらせたかったので、1月~3月の毎月1回、全3回の実施に変更しました。
―TACの営業の印象はいかがでしたか?
TACさんとの出会いは、2025年夏に開催された展示会でした。展示会訪問の目的はタレントマネジメントシステムや適性検査ツールの情報収集でしたが、新卒研修の外部委託も検討していたことから研修ブースにも足を運びました。複数の研修会社と話をしたものの、特に印象に残ったのが営業担当の増田さんでした。研修内容の具体的な提案に加え、予算面や実施時期についても柔軟に相談に乗ってくれたことが決め手となり、TACさんへ詳細な提案を依頼しました。
―研修で最も印象に残っている内容は何ですか?
それはもう自己効力感ですね。それまでは知らない言葉だったんですが、多くの管理職が研修のあとから「自己効力感」という言葉を使うようになっています。それまで自己肯定感という言葉は社内でも使われていましたが、今では「自己効力感」という言葉が日常的に飛び交い、社内の共通言語になりました。現場でも、経験のない仕事を任されたメンバーから、「やったことはないですが、できそうなのでやってみます!」という前向きな声が少しずつ増えており、非常に良い傾向だと感じています。
―リーダーたちの行動や意識の面では、どのような変化が見られましたか?
リーダーとしての心構えは従来よりも強まりましたね。具体的な行動の変化は、社内のSlack(チャットツール)での発言によく表れています。これまでは管理職であっても、さらにその上長に対して「これ、どうしたらいいですか?」という指示待ちの投げかけが多かったのですが、研修後は、
● 「私はこうしようと思います」
● 「この件は、私からメンバーに説明します」
● 「こういう方針で進めたいと思います」
というように、会社の向かうべき方向性を理解した上で、自発的な提案や意思表示が増えてきました。私の直下にいる女性リーダーを例に挙げると、研修受講後は「さらに上の役職を目指したい」という強いモチベーションを持つようになり、明らかな成長を遂げています。
―今後の人材育成の展望についてお聞かせください
今後は、現在の役職者と将来の役職候補者の双方に向けた人材育成の仕組みを整えていきたいと考えています。これまではリーダーやマネージャーとして求められる基準を設けていたものの、その基準に到達するための学びの機会を会社として十分に提供できていなかったという反省があります。そのため、今後は役職ごとのフェーズに応じた研修を体系的に実施するとともに、リーダーやマネージャーを目指す社員向けの育成プログラムも充実させていきたいと考えています。現役の役職者には必須研修として参加してもらい、将来のキャリアアップを目指す社員には手上げ制で参加できる研修を用意するなど、それぞれの成長段階に応じた学習機会を提供し、社員が主体的に成長できる環境づくりを進めていきたいと考えています。
―リーダー育成研修の概要
今回のリーダー育成研修は、2026年1月~3月の計3日間でご支援し、マネジメント・リーダー層の方を対象とした対面・オンラインのハイブリッド形式で企画から実施まで行いました。
リーダーシップ開発には、知識の習得だけでなく、実践と内省を繰り返しながらスキルを高めていく継続的な学びが重要です。本研修では知識習得、実践、内省を3回繰り返しながら、リーダー育成を行いました。また、各回のワークや演習内容は、組織の課題や参加者の状況に合わせて個別に企画しています。現場で実際に起こりうるケースを題材にしているため、学んだ内容を自分の業務に結び付けながら理解を深められる研修となりました。

―リーダー育成研修アンケートの結果 研修の満足度、理解度100%
研修終了後に受講者アンケートを実施しています。
アンケートの結果、満足度(非常に満足+満足)と理解度(よく理解できた+理解できた)はともに100%でした。
●満足度(非常に満足+満足) 100%
●理解度(よく理解できた+理解できた) 100%
特に、理解度に関しては最も高い評価の「よく理解できた」が44%と高い評価になっています。

Profile
渡辺 文也(わたなべ ふみや)氏
宮城県出身。大学で福祉心理学を学んだ後、IT系東証プライム上場企業に入社し、当時最年少で管理職に就任。経営・マネジメント・営業・マーケティングの経験を積み、2020年に株式会社HERO innovationへ入社。現場と経営の両面から、組織と事業の成長を推進している。東京支店長、経営管理本部 本部長、経営推進部/人事部 部長、経営推進室/経営管理室 室長を兼任。
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