コラム

元大手食品メーカーグループ企業 代表取締役社長
経営コンサルタント・人財開発コンサルタント
2024.12.20
「想いは実現する」、ナポレオン・ヒルや様々な自己啓発書の中で言われてきた言葉であり、私自身も20代のころからずっと信じてきた、大切な言葉の一つです。
この言葉をセミナーなどで話すと、反応は見事に二手に分かれます。
「その言葉の通りだと感じます。想いは実現しますよね」という反応をする方と、「そんなわけないじゃん、想って実現するなら苦労はしないよね」という反応です。
「想いは実現する」と想い、言い続けている方は実現します。一方、「実現するわけがない」という人は、実現しません。ですから結論的には、ともに正しいということですね。
自動車王のヘンリー・フォードはこう言っています。
「できるという人は、できる、できないという人はできない、つまりともに正しい」
どちらを選択するのも、すべては私たちの考え方にあります。
私たちはこのメッセージをどのようにとらえていきますか? 時々、なにやら宗教的にとらえる方もいますが、私はシンプルに考えていくことがいいと思っています。
この想いに最近、ようやくサイエンスの光が入ってきたように思います。
それが「量子力学」の世界です。現在、この分野で多くの方を導いているのが、村松大輔さんです。
村松さんはご自身の著書『時間と空間を操る「量子力学的」習慣術』や『最新理論を人生に活かす「量子力学的」実践術』(ともにサンマーク出版)の中で、次のように説明しています。
量子力学は、目に見えないほど小さい世界を解明するための学問といわれています。目に見えないほど、小さな粒の世界「量子の世界」のものです。
素粒子は最も小さな物質の最小単位であり、すべての物質は素粒子の集まりと考えられています。その中で光の素粒子のことを「フォトン」とよびます。
私たち一人一人はこのフォトンという想いを常に発信している。「嬉しい」「楽しい」「幸せ」といっているとまさに「嬉しい」フォトン、「楽しい」フォトン「幸せ」なフォトンが発信されていて、その想いが、同じ想いを引き寄せていく。
あるいは引きつけていくことになります。
逆に「いやだ」「つらい」などと発していると、つらいものを引きつけていく、いいかえると、いやなことにフォーカスして、そのことが心全体を占めていくことになる。ある面、引き寄せの法則の実態ともいいかえることができるでしょう「言葉のエネルギー」そのものです。
私たちは誰かの出すフォトンの周波数を受信している状態にあります。つまり、相手の波の影響を簡単に受けてしまうということです。
量子力学の根底にある考え方は、自分自身や周囲の方を幸せに導いていくために有効なものと考えられています。ぜひこのフォトンを味方にして、活用してほしいと感じています。
量子力学的にみた場合、人の想いや考えは振動ととらえられているようです。すべてのものは振動していて、それぞれに周波数があるというのです。
私たちも普段「あの人とは波長があわない」とか「気があわない」とかいいますよね。実際にすべてのものは、なんらかの周波数をはなっているのだと思います。
ソニーの創業者の一人である盛田昭夫さんも、人間関係、コミュニケーションのコツは「周波数をあわせることだ」といっていました。
人間関係でもよくいいますよね、「あの人とは波長があわない」と。人間関係はある面、周波数の関係性といえると思います。
ある人が部屋へ入ってくると、部屋全体がパーっと明るくなることってありませんか? 家でもそこに入った瞬間に「なにか明るい家だな」とか、また逆に、家に入った時に「なんとなく暗い家だなあ」と感じることはありませんか?
日頃の想いや考えの粒子が壁や天井、いたるところに張り付いているからのようです。明るい家はよく「空気が丸い」といわれることもありますね。
会社でも同様で、なぜ明るい会社が明るくなっているかといえば、明るいフォトンがあふれているからといえます。一人ひとりの想いや考えは、雰囲気全体にとても大きな影響を与えているということです。
特にリーダーが明るいフォトンを発していくことがとても大切です。
みなさん、「音叉(おんさ)」をご存じですか? 同じ周波数をもつものを鳴らすと、離れているところで音が共鳴していきます。とても不思議ですよね。この周波数が世界を変えていくのです。
たとえば、540MHzであれば、540MHzのものに共鳴して音がなっていくが、550MHzのものとは決して共鳴はしない。近くにあっても不思議なことに共鳴をすることはない。つまり、想いが異なる人とは、たとえ近くにいても想いが通じ合うことがなく、パラレルの世界になり、交わることはなくなっていくということです。
また「奇跡」を当たり前のように起こさせるためには、高い周波数をだしていく必要があるといわれます。高い周波数の波ほど、遠くに飛ばすことができるので、いろいろなことが実現できるのです。
この高い周波数をだすためには3つのステップがあるそうです。
① 自己肯定感を高めること |
あなたがあわせた周波数の世界で、いろいろな現象が起こるともいえるのです。
その周波数によって、仕事、お金、出来事などは大きく影響をしていきます。
さあ、どんな周波数を発信していきますか?
日常に置き換えていけば、「いい考えは、いい考えを引き寄せ」「好ましくない考えは、好ましくない考えと共鳴し、引き寄せていく」ということに気がつくことでしょう。いかに自分の心やマインドを健全に保つことが大切かをご理解いただけたことと思います。
私が今、心をこめて取り組んでいる、心身統一合氣道でも同様なことが起きます。
「気を出すこと」「気を通わせること」がとても大事になってきます。
天地の氣と一致するという表現もしています。同じ技をかけるときも、気が通い、相手の氣をいかしていないと、いい技にならない。
また、天地と気を合していくのが合氣道の本質ですので、天を味方にしていく必要があるんですね。天と気を通わせていく心構え、作業がとても大事になってきます。
技を通じて、気を感じ、氣を学ぶ、心身統一合氣道はすべてのビジネスパーソンにおすすめであり、重要な武道の一つだと感じています。
心身統一合氣道の目的の一つは、「氣を出す」ことを通じて、自分のもっている能力を最大限に発揮できるようにすることです。武道を通じて、自分の力を最大限に引きだせるのですから魅力のあると思いませんか?
心身統一合氣道でも、気をどんどん小さくしていく集中法というものがあります。二分の一、さらに二分の一と小さくなれば、無限に小さくなっていきますが、ゼロにはなりません。この最も小さくしていく作業は、量子力学のフォトンとつながる概念と感じます。
振動のたとえでもよく、まわっているコマのたとえがあります。
勢いよくまわっているコマは安定して、一見すると止まっているようにみえますよね。でも止まっていない。その状態を静止といいます。
回転がとまって、ゴロンとしている姿は停止です。似て非なるものです。一つは振動している、一つは全く動いていなく、止まっている状態。
止まっているようで、実は止まってはいない、静止の状態がとても大事です。人間関係も振動している状態が大事で、お互いが共鳴、共感している感覚になっていることと思います。想いを共鳴させていく感覚ですね。
ぜひ、振動を味方にしていき、想いを実現しませんか?
人間関係も様々な思いを実現するためにも、共鳴はとても大切です。そのためにも、やはり言葉が大事。いい言葉は音叉のように同じ周波数を放ちながら、幸せに導いてくれます。
それは職場でも家庭でも同じ現象が起きていきます。いい想いの人が多ければいい空気感につつまれ、メンバーも笑顔いっぱいになっていきます。みんながいい意味での空気づくりの達人になっていく、まさに「エアマン」の状態ですね。
一方で、暗い言葉や嫌な言葉を使う方が多い職場や家庭は、どうしても影が多くなり、暗いなあという感覚になってきます。
特に、リーダーには影響力があります。いつもどんな言葉を使っているか、自分自身でフィードバックしていく必要もあると感じます。
決して「最悪だあ」とか「もうだめだ」とか言わないようにしましょう。
リーダーのメッセージは大きいものです。たとえば担当者がトラブルにあっている、みんな大変だなあと感じている、下を向いている、そんなとき、リーダーの発する一言が世界を変えます!
「大丈夫、なんとかなる!」
この一言を発するかどうかで、全体の空気は明らかに変わっていきます。「大丈夫、なんとかなる」「OK、OK、命はとられないよ」などの楽天的な発想と言葉がとても大事になってくると思います。
様々な事態を聞いた時に、リーダーがあわてないことが一番大事。私はいつも、「大丈夫、なんとかなる」と発信していました。
リーダーが落ち着いていると、音叉のようにメンバーもしーんと落ち着いて対処することが可能です。逆にリーダーがあわてると、空気感は完全にうわずり、正しいジャッジができなくなる現象をよび起こします。
事業部にいたときのこと、ある製品にトラブルがありました。部長も課長みんな困惑していたとき、そのときのトップの発した一言は今でもはっきり覚えています。極端なメッセージでもありますが、たった一言
「山本、それで人は死ぬのか死なないのか。どうなんだ?」
「いえ、命にかかわることはありません」
「そうか、それなら大丈夫、しっかり取り組みなさい」
と笑顔で話されました。その時のコメントによって、みんなのうわずりがおさまったことは事実です。
いい言葉を使い、いい習慣で生きていきましょう。そして大丈夫波動、幸せ波動を放ち、未来をひらいていきましょう、「未来は明るい!!」を信じて。
目指せ!すてきな振動数を!
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