TAC.bizで大人気の「人事・教育担当者様向けコラム」で企画スタート時から連載を続け、毎回、多くの方にご愛読いただいている「人事担当者を元気にするコラム」が、毎月1回の更新を積み重ね、このたび連載50回を迎えることができました。これを記念して、著者である山本実之氏からコメントをいただきましたので、ご紹介いたします。

山本実之氏からのメッセージ

 

 

日頃、私のコラムをお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
2019年11月にコラムを開始してから、今回で50回目の掲載となりました。コラムをお読みいただいた方からご感想をお聞きする機会もあり、とても嬉しく励みにしながら、書かせていただいております。
コラムをお読みいただいております、すべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。

今後も継続させていただく予定ですので、これからもおつきあいのほどどうぞよろしくお願いします。

 

山本 実之(やまもと・みつゆき)
大手食品メーカーグループ会社 代表取締役社長

 

 

<プロフィール>

大手食品メーカーに入社。20代は商社部門で食品原料の輸入販売を担当。30代は食料海外事業部に所属し、シンガポール・プロジェクトをはじめ米国・香港等へ製品輸出を担当し、出張した国は32ヵ国にのぼる。さらに英国との合弁会社にて営業企画管理部長を担当(上司がイギリス人、部下はアメリカ人)。
40代は新規事業立ち上げのリーダーを担当し、その後、営業部長に。40代後半からは研修部長として、人財開発を担当。のちにグループの関連会社の代表取締役社長に就任し、現在に至る。
資格としては、GCDF-Japanキャリアカウンセラー、キャリアコンサルタント(国家資格)、(財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFPⓇ。デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン公認トレーナー(デール・カーネギー・コース、プレゼンテーション、リーダーシップ)を取得。

山本実之氏の「元気が出るコラム」の一部をご紹介します


海外出張の前日、午後2時、子供(3歳)緊急入院、その時あなたはどうする?(第18回:2021年4月23日掲載)


 

海外出張を準備していた、東京のオフィスでのこと。1本の電話がなる。それは家内からの電話。

 

「パパ、帰ってきて! 子どもが熱を出したの! 40度を超える熱で、お医者さんが、脳に障がいが残るかもしれないって言ってるの。大変なの。だから帰ってきて!」

 

ガチャ。電話はきれました。
そのとき、家内は九州の実家に帰省をしていたのですが、子供が熱を出して緊急入院したというのです。

 

私はといえば、翌朝10時発のキャセイパシフィック航空で、香港へ1週間の海外出張の予定。海外出張の稟議は、社長までまわって承認されている。
電話を受けた後、私は、「どうすればいいんだろう?」と、途方に暮れて思いました。

 

みなさんならこの場面、どうしますか?
「仕事なんだからしょうがない」という思いで、予定通り、香港へ出張しますか?
それとも家内が「帰ってきて」と言っている九州の病院にいきますか? どうしますか? 二者択一です。二つの道は同時に歩むことはできません。

私は1時間ほど悩み考えました。そして結論、「行こう!! 病院へ」
最終フライトを予約して、九州の病院に向かおうとしている私に、ある先輩の声が届きました。「おお、仕事より家庭を重視するのか!!」という声です。
部屋を走り去るようにでていくときの私は、「子供はだれが守るんだ! 俺しかいないだろ」と思いながら、本社の階段を走り降りて、羽田空港へと向かいました。

 

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「おばあさんの針の物語」から考える幸せの道(第29回:2021年5月28日掲載)


 

新婚時代、家内はヨガを学んでいました。
ある朝のこと、不意に「インドのヨガの哲人が話すんだけど、聞きにいかない?」と誘われました。
「えー、ヨガ? インドの哲人? あんまり興味ないなぁ」って感じではありましたが、まあいこうか、と。なんとなくのノリで、その会場にいくことにしました。

せまい部屋で多くの方がすわる中、インドの哲人が話し始めました。
私は直観型ですので、話をききながら、体中に電流の走る思いがしました。
インドの哲人はいくつかの物語を話し始めたのですが、今から思えば、それは完全なるストーリーテリングでした。
それは、こんな話です。

 

あるとき、一人の若者が街を歩いていました。すると、道端で探し物をしているおばあさんに出会いました。若者はおばあさんに尋ねます。
「おばあさん、なにを探しているの?」
するとおばあさんは「わしはなあ、大切な針を落としてしまったんじゃよ」と言いました。
「それは、大変だ、一緒にさがしましょう」と、若者はおばあさんと一生懸命になって針を探しはじめました。
ところが探せど探せど、針を見つけることはできません。
そこで若者が「ところで、おばあさん、どこで、その針を落としたの?」とたずねると、おばあさんはこう答えました。
「あの裏の家の中で、落としたんじゃよ」
若者があきれた様子で「おばあさん、あなたはなんて愚かなんだ。裏にある家で落とした針が、道路にあるわけないじゃないか? なにを考えているの?」と話すと、おばあさんはこう言いました。
「家の中は暗いので、みえない。だから明るい道にあると思って探したのじゃよ」

 

この話は、一つのたとえ話になっています。
この話にでてくる「家」は一人ひとりの心の中、「明るい道」はいわゆる世間。そして「針」は幸せをたとえたものです。

幸せの針は一人ひとりの心の中にあるのです。でも心の中は暗くてみえない。みえないから、幸せの針はもとから心の中にあるのに、多くの人は外の世界、明るい世界で幸せを求めてしまう。でも外に幸せの針はない。なぜなら心の中に幸せの針はあるのだから……。

 

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Back to School ~会社はビジネススクールだ~(第29回:2022年3月25日掲載)


 

最近、リカレント教育とか学びなおしとか、話題になっていると思います。
みなさんは、今、何を学んでいますか? 何に興味をお持ちでしょうか?

 

この頃、学ぶことって、とても楽しいことだなと感じています。
高校生の頃の勉強、特に受験勉強のなんとつまらなかったことか。自分自身の学ぶ姿勢にも問題があったのかもしれませんが、学びの気持ちは目覚めませんでしたね。
授業を面白くなさそうに、つまらなさそうに、ただ行うだけの先生も多かったように感じますが、こちらも聴く態度がなっていなかったのですから、これは先生のせいではなく、すべては自己責任ですね。

 

一転して、社会人になってからの学びはとても楽しく、「学問」とは実は「楽問」なのではないかと思うほど、ワクワク学んでいたように感じます。これは仕事に即、直結するからでしょうか。
営業時代、特にマーケティングの学びはとても楽しく、理論を即実践してみると、すぐに結果までついてきたので、とてもエキサイティングだったと感じます。

 

社会人は、今こそ、学び直しのとてもいいチャンスに恵まれているのだと思います。資格のための学びもよし、アカデミックにあこがれての学びもよし、本を読んで世界をひろげることもよし、すべてが学びであり、どれも、とても楽しいことだと思います。

 

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100年カレンダーから学べることは何?(第39回:2023年1月27日掲載)


 

日本企業で今、最も時価総額の大きな会社、それはトヨタ自動車株式会社です。その社長である豊田章男氏が、最も尊敬していると公言する経営者がいます。どなたかご存知でしょうか? その方のお名前は塚越覚氏。「かんてんぱぱ」で知られる、伊那食品工業株式会社の最高顧問(前会長)です。

この会社の社員は、会社が大好きで大好きで、休みの日なのに会社にきて、庭掃除をしたり、草取りをしたりするのです。これは決してやらされているのではなく、自主的にみなが取り組んでいるもので、とても稀有な会社の一つといえるでしょう。

私は以前から、この会社にとても興味があり、ぜひ伺いたいと考えていたのですが、ある経営者の勉強会で、ついに訪問の機会を得ることができました。
当時社長であった塚越氏はとても温和で、穏やか。人を包み込む優しさをもちながら、人としての芯の強さを感じさせる方だなあと思いました。

その塚越社長が入社式で、新入社員に向かって最初に話すのが、「100年カレンダー」のことです。大きな紙に100年間分のカレンダーが印刷されていて、それをまず新入社員にみせて、語りかけるそうです。

 

「みなさん、これが100年カレンダーです。みなさんは今若さにあふれ希望にあふれていることと思います。死を現実的にとらえることはできないでしょう。人生100年時代といわれていますが、みなさんが120歳まで生きる確率はとても低いと思います。新人の皆様といえども、いずれ死を迎えていきます。つまり、この100年カレンダーのどこかに、あなた方の命日があるのです」

 

ここで塚越社長が伝えたいことは、「限りある命をしっかりみつめていこう」ということです。「死をしっかり把握することが大切。人は必ず死ぬ、だとしたらいかに、この命を生きていくか。生きることをしっかりと考えてほしい」ということが、新人に最も強く伝えたいメッセージなのです。
そして、この有限なる命を当社に捧げるという意味、かけがいのない人生を当社にかけるということを、しっかりわかってほしいと伝えています。これらのメッセージがこの100年カレンダーに込められているのです。
新人に対して入社式で、人生の覚悟をここまで伝える方はいないと思います。

 

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士は己を知る者の為に死す(史記より)~定年雇用延長者をいかに輝かせていきますか?~(第46回:2023年8月25日掲載)


 

中国の歴史家、司馬遷によって編纂された『史記』にある有名な言葉、「士は己を知る者の為に死す(士爲知己者死)」という一節をご存じでしょうか?
これは「立派な男子であれば、自分の真価をよく知ってくれて、認めてくれる人のためなら、死んでもいいと思うものだ」という意味の言葉です。
自分の持ち味をリーダーが知っていてくれたなら、なにより幸せな図になるということを伝えています。

 

組織のトップの目がよく行き届いていて、どんなに目立たない地味な仕事であっても、その仕事にあたっている人に「○○さんはよく裏方としてもよくがんばっていてくれたなあ」といったような声が届くようになっていれば、それぞれのメンバーはそれぞれの地位において最善の努力をし、組織のために働いてくれるものだと信じています。
このように、メンバーが心を注いで働いてもらえるような環境づくりをすることは、リーダーにとって、とても大切だと考えています。

 

特に、これからの人口構成から考えると、定年後の雇用延長者は更に増えていくことになるでしょう。この方々を戦力としていくか、それとも単なる退職までの延命とするかは、企業の存続に大きくかかわっていくといっても過言ではないはずです。

 

60歳定年後、起業などの道を目指す人もいますが、多くのビジネスパーソンは「この会社のことがよくわかる」「知っている人がいる」「慣れている」といった理由から、現役時代に過ごした会社で雇用延長をすることが多いといわれています。
とはいえ、その慣れた会社であっても、決してパラダイスではないと言い切ることができます。定年後の雇用延長においては、元の上司と部下の関係が逆転することなどは日常茶飯事です。「参勤交代」ならぬ、「さん君交代」というのを聞いたことはありますか? 今まで上司に向かって「○○さん」といっていた部下が、立場が入れ替わり上司の立場になったとたん、元上司を「○○君」と呼び出す、などということもあるようです。なかなか厳しい人間関係に思えます。
また、延長後に好きな仕事や得意な仕事を継続できるとは限りません。
だからこそ、個人の関係性を超えて、組織の強さをいかに発揮していくか、ということがとても大切になってきます。

 

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