コラム

一般社団法人日本ITストラテジスト協会 会長
2021.03.22
一般的に、日本人は手先が器用で改善することが得意です。
一方、欧米と比較して、総合的、統合的に物事を見て判断する事が苦手です。
これは、教育的、文化的な違いから来ていると思われますが、システム開発において部分最適を繰り返すと、最終的に統合が難しくなり、全体的な再構築を行わざるを得なくなります。
部分最適の行き詰まりは、企業内システムにも行政機関のシステムにも見て取れます。
最近では、政府もDXを支援し、製品・サービスをデジタル時代にマッチさせる変革を後押ししていますが、社内の業務効率化とシステム化ができた後でなければ、緩い地盤にビルを建設するようなもので、有益で競争力のあるサービスの実現は難しいと思われます。
DXを推進するためには、全体最適の考え方が欠かせません。
今や常識としてITは経営の根幹であり、経営戦略と一体としてIT戦略を立案する必要があります。
ITストラテジストとは、国家試験である情報処理技術者試験の試験区分であり、「CIOやCTO、ITコンサルタント」を目指す人向けの資格に位置付けられています。
ITストラテジストに期待される役割は、以下のとおりです。
① 経営戦略の実現に向けたITを活用した事業戦略の策定、評価 |
企業においては、経営企画部門、IT企画部門、ITコンサルティング部門向けの資格といえます。
■ 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)ウェブサイト
ITストラテジスト試験(ST) ~ 経営とITを結びつける戦略家 ~
ITストラテジスト試験は、①ITに関する知識問題、②課題をITで解決する事例問題、③経験から論文形式で回答する問題で構成されており、記憶力、課題を把握し整理する力、推論、要約し説明する力、論理展開する力などが要求されます。
合格率は約15%となっており、受験者のレベルも高いため超難関試験として評価されているようです。
実際にITストラテジストの業務を行うためには、各セクションの業務知識、法務知識、IT関連技術、マネージメント経験、システム開発経験などが必用であり、この資格を取ったからと言ってすぐに役割をこなせる訳ではありませんが、IT戦略やIT企画に関する知識・体系を学ぶには最適な資格です。
■ 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)ウェブサイト
ITストラテジスト試験(ST) 試験要綱・シラバス など
一般社団法人 日本ITストラテジスト協会(略称、JISTA)は、IT戦略・企画に関する知識・スキルの向上、情報交換・交流のために設立された協会で、ITストラテジスト合格者と合格を目指す方が入会できます。
協会は、全国8支部(北海道、東北、関東、中部、関西、中国、四国、九州)で構成され、各支部では定期的に定例会を行っています。
活動に参加することで、新たな知識が得られたり、プレゼンスキルの向上の場としたり、課題について相談したりすることができます。また、楽しい飲み会もやっています。
現在は、新型コロナのためリモートでの活動が中心になっていますが、場所を問わず参加できるメリットもあります。
ITストラテジスト試験の受験対策も行っていますので、受験勉強の補強として活用して頂ければと思います。
ご興味がある方は、協会のホームページからお問い合わせ下さい。
経営に関与する方にとっては、必須スキルといえるITストラテジスト試験。
合格して是非わたしたちの仲間になって下さい。
また企業の人事・教育担当者様には、社員の方のITストラテジスト試験へのチャレンジをぜひ推進していただきたいと考えています。
もちろん、有資格者の採用や登用というところも促進し、会社のポテンシャルを高めていただくのも良いでしょう。そのうえで、こういった方々が当協会へ入会いただければ、人的交流等により、様々な知見が得られ、貴社にとって大きなプラスにつながるはずです。
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