【人事担当者を元気にするコラム Vol.12】脳をだまそう! 脳を味方にしよう!

大手食品メーカーグループ会社 代表取締役社長山本実之

2020.10.23

人間の脳に関しては、まだまだ未知の部分が多いものの、研究が進んだことで、だいぶわかってきたことがあります。

「想いは実現する」
これはアメリカの文筆家、ナポレオン・ヒルほか多くの方が言っている言葉です。そのことが今、サイエンスの側面からしても明確になってきています。夢の実現やビジョンを達成させたい方には朗報ですね。

以前から、そして今も、この言葉は私を支えてきました。
私の尊敬する方は、これを別の表現で「念力をかけろ」と言っていました。
「もし、海外出張に行きたいところがあれば、そこに行ったことをイメージしろ」と。入社して配属したその日に、その方とお会いできたことは、最高に幸せなことでした。
その方からは、「思い切り、念力をかけるんだ」とよく言われました。
「念力?」久しぶりに聞いた一言だったので、とても印象に残っています。

ある時、購買部の先輩が、「山本! 俺、ブラジルにいってきたぜ」といいながら、1枚の写真を見せてきました。それは、夕陽がさしこむブラジルのホテルの部屋で、その夕陽を背に、椅子に優雅に腰かけている先輩の姿を写したものでした。
リオデジャネイロのコパカバーナ海岸からさす夕陽を背景にした先輩の姿は、ただただかっこいいと思いました(さすがラテン!とっても単純)。
ちなみにコパカバーナ海岸は、朝陽と夕陽とをともに見ることができる、数少ない海岸の一つです。

俺もブラジルに行きたい。
動機は本当にとても単純。かっこいいな~という思いのみ。それから1年間、念力の日々が始まりました。まず、最初にやったことは『地球の歩き方(ダイヤモンド社)』のブラジル版を購入。旅行代理店に行って、ブラジルの写真、しかも美しい写真をそろえること。当時、社宅に住んでいたのですが、私がブラジルに行きたいと願っていることを家内に話すと、なんと家内は、部屋にブラジルの国旗を飾ってくれました。TVの横には小さな国旗。毎日ブラジル国旗をみていました。
そして家で流れる音楽は、当然サンバ。そして寝る前にブラジルへの出張をイメージ、特に、先輩と同じ風景を完全にイメージしていました。

「いくぞ、いくぞ、ブラジルへ。出張で訪問し、あのホテルで写真を撮るんだ」
そう思うこと1年、思いは通じるものです。それまでブラジルとのビジネスなどなにもなかったのに、サンパウロから輸入する商材を見つけ、ビジネスをクリエイトし、結果として、ブラジルへ出張することができました。
その時、27歳。当時、わが社では最も若くして中南米出張に行くことになった瞬間でもありました(なにせ地球の裏側の遠い国ですから)。ロンドン経由で帰国した際、アテンドしてくれたロンドン駐在の方から、旅程をみて、「どこかの部長のアテンドかと思っていたよ」と言われるほど、当時としては画期的な海外出張だったようです。まさに念力が実現した出張でした。

これは自分自身で行くと決めなければ、決して実現しなかった出張です。まさに「決めることを決める」を実感した時でもあります。

そして、リオデジャネイロ・コパカバーナ海岸沿いにあるメリディアンホテル(現在のイベロスター コパカバーナ)の25階。夕陽を背に、写真を撮ってもらったとき、これはまさに、1年前からイメージした通りの場面に自分がいたのです。これこれ、という感じで、それまで描いていた未来のイメージが実現している瞬間を体感した初めての経験が、このブラジル出張だったかもしれません。
「イメージが実現するって、こういう感じなんだ」と実感しました。

コパカバーナ海岸

「たかがブラジル出張、されどブラジル出張」
自分の想いが実現したことにおいては、とても意味があり、自信につながる出来事でした。

イメージを明確にもって、そして祈り、念じる。これをひたすら繰り返していく。
「決して、あきらめない。継続する。」
目の前にリオがあるイメージ、実現している場面をイメージしていくこと、五感をフルに発揮して、そのビジュアルをありありと描くということをしていました。あきらめないことが大事だったと今でも思います。
この時の達成のコツはいたって、シンプル。もし、実現したときに心からワクワクできるかどうかがカギのように思います。
やはり、感情に働きかけていくことが実現のためにとても大切なのですね。

自分のイメージどおりに願いが実現したこと、そのことが私の人生にとても大きな初めての経験となっていたと思っています。
いや実は、これが初めてではありませんね。結婚が初めての経験ということになるのかもしれません。

実は結婚に関しては、大学生のころからある確信をもっていました。根拠のない自信ですが、私は、自分にとって、「世界で最も素敵な人と結婚する!!」と決めていました。そしてその通りになりました。

時折、この話をすると、「えー」っていう人がいますが、これは、多くの方が実現できることだと思っています。よーーく聞いてくださいね。
「世界中の人が、素敵な人と思っている人と結婚する」と言っているのではありませんよ。そんなことはそもそも無理ですし、必要ありません。
主語はあくまで自分です。「自分にとって、世界で最も素敵な人」と言っているのですから、自分一人がそう思えばいい話です。「私」が思っていることですから。

「自分の想いは」とすれば、すべての男性にもあてはまる可能性はありますよね。自分自身の思っていることですから…。この想いは、誰にも止められませんね。
この結婚こそが私の「想いは実現する」という言葉が確信にかわる最初であり、かつ最大の出来事だったように思います。結婚は人生の大きな転換期といわれますが、私にとっては、まさに人生での最大の転換期だったと感じています。
今でもこの想いでいられることにも感謝です(こういうことを平気でいうところも、私が日本人離れしているという部分だというのが、子供たちの見解です)。

投資家のウォーレン・バフェットさんも「人生で成功するために最も大切なことは何ですか?」という問いに、こう答えていました。
「だれと結婚するかですよ」と。全く同感です。

その後、いろいろ脳科学を研究する中で、完全に成功法則にはいった行動だったと感じます。言葉が適切でないかもしれませんが「脳をだまそう。脳を味方にしよう」というのは、魔法の法則のように思えます。
まだ、信じられない人も多くいるかもしれませんが、これはサイエンスで証明されてきているので、活用しない手はないと思いますね。

脳認知科学の第一人者である苫米地英人さんは、とてもわかりやすくこの理論を説明しています。この理論については、また別の機会に、皆さまにお伝えしたいと思います。

実現したいことをイメージする時に、大切なのは、達成したいことの臨場感なんです。今の自分と、未来の夢がかなった自分、どちらにより強くリアリティを感じるか。つまり、どちらがより臨場感があるかという勝負になります。臨場感をだしていくためには、達成した自分の姿を白黒写真ではなく、カラー写真でしっかり描く、そしてそのときの音、感覚、風景においなど、五感をフル活用してイメージしていくことが必要となります。
まるで現実に起きているかのように。

この「未来の記憶」ともいえるイメージが、現実よりも臨場感にあふれてきたとき、想いの達成する確率は限りなく上がります。ある面、練習がいることかもしれませんが、チャレンジしてみてください。いずれまた、このコツ、やり方も伝授したいと思います。これにより多くの方と幸せをわかちあえると確信しています。

特に脳は過去において、実際におきた出来事と未来のイメージ自体とを区別することができないといわれています。

たとえば、自分の頭の中に映画のスクリーンがあると思ってください。そのスクリーンに過去の出来事と未来のことが投影されていくのです。
真実か否か、脳は判断ができない。同じように体感していくことになります。

だから、いやなことなどを考えてはいけないのです。とても危険!!自分の脳というスクリーンには、できるだけよいことを考えていくこと。そのことが心、体、すべてで影響を受けていくのです。脳で何を考えていくかをコントロールすることが、最も大事なことだといえます。

脳というスクリーンにできるだけ、いいイメージ、想いを上映していく。それが表現によっては、脳をだますという言葉にもなってきます。
都市伝説のように感じるかもしれませんが、まさに「信じるか信じないかはあなた次第です」。
理論の一部の紹介になりましたが、そのためのコツ、ご興味のある方には、方法論も含めて、お伝えしていきますよ。

この脳を味方にしない手はないです。実は、シンプルであり、活用ができる内容です。そして、脳には、主語がありません。
「あいつはだめだ」「なにをやっているんだ」と他人に言ったとしますね。
脳は他人に言ったか、自分に言ったかを理解しないので、いやな言葉を使うことは、とても危険なことなのです。
愚痴などを言ったとき、それは自分に言ったのと同じ効果がでてしまうのです。

ですから、いい言葉、勇気づける言葉をいえば、いうほど自分の力になり自分を勇気づけることになるのです。
「情けは人のためならず」のように、いい言葉は人のためではなく、自分自身のためになっていくのです。

いつも明るく、元気な方が身近にいたら、その人の日ごろの言葉に注意をしてみてください。きっと、素敵な言葉、勇気づける言葉を使っていることと思います。
自分自身にかえってくるので、とても気をつけなければいけませんね。
「いい言葉教」のようなつもりで、いい言葉で脳をだましていくと人生がより豊かになってきます。

銀座まるかんの創業者、斎藤一人さんが推奨している天国言葉を言うだけでも、ハッピーライフに近づいていきます。
「ツイてる」「嬉しい・楽しい」「感謝しています」「幸せ」「ありがとう」「許します」この言葉をいっているだけで、気持ちもハッピーになっていきます。
ぜひ、試してみてください。
言葉が多いなって感じる方がいたら、ツイてる、はどうでしょうか。ツイてるといっているだけで脳は、これからツイてることがおきると、いい意味でだまされていきます。究極の言葉かもしれませんね。

今日も私は朝、海岸沿いをウォーキングしながら、「ツイてる」「ツイてる」といいながら、歩いていました。本当に「ツイてる」ことが起きてきます。
正確には、「ツイてる」出来事が起きるというよりも起きた出来事がついてるというふうに感じられるということが正しいかもしれませんね。

物事には光と影があり、どちらに自分の心をフォーカスするかが大事。
ヘレン・ケラーは言っています。
「太陽に顔を向けてね。そうすれば影なんてみえないわ」

人生は起きた出来事で決まるのではなく、その出来事をどのように解釈するかで決まるといわれています。「ツイてる」波動で、よい解釈をしていくと、ハッピーワールドに近づいていきますよ!

一緒にいい言葉を使い、いい意味で脳をだまし、脳を味方にして、ハッピーライフを目指していきましょう!!


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Profile
山本実之
大手食品メーカーに入社。20代は商社部門で食品原料の輸入販売を担当。30代は食料海外事業部に所属し、シンガポール・プロジェクトをはじめ米国・香港等へ製品輸出を担当し、出張した国は32ヵ国にのぼる。さらに英国との合弁会社にて営業企画管理部長を担当(上司がイギリス人、部下はアメリカ人)。
40代は新規事業立ち上げのリーダーを担当し、その後、営業部長に。40代後半からは研修部長として、人財開発を担当。のちにグループの関連会社の代表取締役社長に就任し、現在に至る。
資格としては、GCDF-Japanキャリアカウンセラー、キャリアコンサルタント(国家資格)、(財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFPⓇ。デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン公認トレーナー(デール・カーネギー・コース、プレゼンテーション、リーダーシップ)を取得。

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