【人事担当者を元気にするコラム Vol.15】ワクワクした生き方を目指して~霧が晴れたときの自分に期待しましょう~

大手食品メーカーグループ会社 代表取締役社長山本実之

2021.01.22

新年を迎えて、皆様いかがお過ごしでしょうか?

コロナの関係で帰省できなかったり、Zoom初日の出となったり、日常を奪われた時となっていますが、こんな時こそ笑顔いっぱいで、過ごしていきたいですね。
そしてこういった時こそ、夢や目標をもって、ワクワク生きていくことが大切なのだと思います。
そこで今回は、目標達成のコツをいくつかお伝えしていきたいと思います。
一つでもご参考になることがあれば、とても幸せに思います。

まず、目標を達成するうえで第一に大切なことは、自分自身の目標を紙に書くということです。
ただ単に、目標を頭の中で描いているだけは、実現の可能性は低いといわれています。目標設定をするということについては、米国で調査が行われており、目標への取り組み方については次の4タイプにわかれると、米国の文筆家で教育者のポール・J・マイヤーは報告しています。

 

  ① 目標や計画をきっちりと紙に書いている米国人
  ② 人生の目標について、しっかりとした考えを持っている米国人
  ③ お金に関する目標しかない米国人
  ④ 目標がなく、将来のこともほとんど考えていない米国人
 3%
10%
60%
27%

 

そして、それぞれがどのような人生をおくっているかという調査をしてみると、次の4タイプにわかれたそうです。

 

  ① かなり成功を収めている人
  ② まあまあ順調な人生をおくっている人
  ③ いわゆる「つましい生活」をおくっている人
  ④ 公的支援や施しを受けてなんとか生活している人
 3%
10%
60%
27%

 

このように、目標を立てた人と立てなかった人の人生の数値は、くしくも関連性があるという結果になっていました。やはり、ここからも目標は立てた方が人生にとっていいといえそうですね。

というわけで、まずは目標を書くことから始めてみましょう。
ただし目標を書くときに大切なポイントは、その書き方にあります。
それは「~したい」という表現は使わないということです。
なぜだか、おわかりになりますか?
「~したい」という言葉にある心理の本質を追っていくと、今はできていないから「~したい」という表現につながっているのです。これは、天に「私、できてません!」と宣言していることと全く同じなのです。天に宣言してしまっているのですから、可能性は低くなるのは当然ですね。

では、どうすれば良いのでしょうのか?
そう、「~したい」から「~している」という表現にかえていくのです。
たとえば、なにかの資格を取得することを目標にするとしたら、「○○の資格を取得したい」ではなく、「○○の資格を取得している」という現在形で書いていくのです。まさに目の前に合格があるかのように書いていきます。自分の望むことを「○○している」という言葉を使って書いていくことがポイントとなります。

目標を書いた後に大事なことは、目標をそのままにしないということです。
ある方は、目標を書いてはみたものの、年末までその目標を見返すことがなかったそうです。これでは、きっと目標は忘れられてしまっていたでしょうね。
やはり日頃から目標を意識するためのコツも必要です。たとえば、手帳に書き込む、スマホやPCの画面にしておく、といったように、できるだけ目に触れる機会を増やすということもとても大切な作業になってきます。

脳認知学からのアプローチとしては、「エフィカシー」という概念があります。「エフィカシー」は自己肯定感に近い意味をもっており、「自分は達成できるんだという自信」を意味します。このエフィカシーが実は、目標達成に向けての継続力に大きく影響するといわれています。

なにかを始めてみて、すぐに結果がでないという経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか? 英会話を学ぼうとして、あきらめたご経験のある方はいますか?
英語に限らず、なにかを学び始めたとき、一時的に伸びがみえなくなる状態があります。これをプラトー状態といいます。やっても変化がみられない、いわゆる停滞している感じです。
こんなときでもエフィカシーが高い人は、「自分はできる」と決めているので、たとえプラトー状態でも、継続することができます。
逆にエフィカシーが低いと、「ダメかも」「できないかも」と、負の力が強くなってしまい、最終的にはあきらめて、達成できないという負の流れになってしまうのです。
このエフィカシーをいかに高めていくか、というときに必要となるのがセルフトーク、つまり自分自身との対話です。人は日々、何万回も、自分自身に問いかけをし、答えているといわれています。その問いそのものが、ポジティブか否かといったことがエフィカシーを高めることに影響してきます。

このセルフトークの活用によって、エフィカシーを高めることができますので、日々の言葉をチェックしていくことがとても重要です。
言葉としては、「ツイてる」「うれしい」「たのしい」「しあわせ」「ありがとう」「感謝します」といったものや「いいね!」「大丈夫」といった言葉と多く使っていくことも大切です。

そして、さらに大きなパワーをもつのが「アファメーション」です。
これは自分自身に対する自己宣言のようなものです。これはものすごいパワーを秘めています。内容を自分で決めていけるところによさがあり、このアファメーションはどこでもいつでも実施できます。

私は毎朝、アファメーションを行っています。言葉で心を洗い、強めていくような感覚です。
言葉だけで変化あるの? という方もいますが、むしろ「言葉こそ力」「言葉こそすべて」といってもいいと感じています。言葉は言霊といわれるほど、大きなエネルギーをもっています。聖書でも「はじめに言葉ありき」と書かれていますね。

そして、目標というゴール達成をめざしていくにあたっては、そのプロセスに臨場感を強くもつことがポイントになってきます。
認知科学者の苫米地英人さんの理論でいくと、

 

(Imagination)+ (Vividness)= (Reality)
       想像力           臨場感          現実   

 

という式であらわすことができます。

たとえば、プレゼンテーションをすることになったとして、このプレゼンテーションの成功をゴールとするのなら、まず、イメージングからです。
会場に堂々と立ち、自信満々に講演している自分の姿。聴衆も感動し、その話を真剣に聞いていて、なかには涙している人もいる。
そして大成功。聴衆からはわれんばかりの拍手。みんなの笑顔がキラキラ輝いている。「今日のプレゼン、最高だったよ」「さすがだね」「感動したよ」という賞賛の嵐。このような場面を思いっきりイメージして、臨場感をどんどん高めていく。こういった作業がリアリティにつながっていくのです。
リアリティは、イメージと臨場感がつくるといわれるゆえんです。

ゴールの達成には、そのイメージに近い臨場感を持つことが有効になってきます。その臨場感をもつために、自分自身がワクワクするゴールを描く必要もあると思います。
ゴールから逆算してプロセス化した未来の記憶をつくり、「今、こうあるべき自分」の姿に臨場感をもたせていくのがコツといわれています。

達成している自分にリアリティをもたせるために、私自身がやったことをご紹介します。それは、CFPⓇ(Certified Financial Planner; 認定ファイナンシャルプランナー)の資格取得に向けて、勉強していたときのことです。
社内の役員でCFPⓇを取得している方がいました。その方もCFPⓇ取得にはとても苦労したこともあり、食堂などで会うと、「今、何科目クリアした? がんばってね」などと、ことあるごとに応援をしてくれていました。
私が行なった未来への記憶は、その役員に送付するお礼メールを書くことでした。もちろんまだ、合格する前にです。
文面はこんな感じです。

 

   おかげさまで、CFPⓇに合格することができました。いろいろ励ましていただき、
   心より感謝しています。応援いただいたことが力になっています。これからも
   ご指導、よろしくお願いします。

 

もう、完全に合格して、お礼までいっているシチュエーションですね。
このメールを毎日みていると、もう合格している自分に完全にリアリティを感じることができます。とてもいい方法だと自負しています。
もちろん本当に合格した後、合格前に書いていたメールをそのまま、発信しました。まさに未来の記憶を実現した場面を体感した瞬間です。

私の場合、イメージングする際、結果に対して、お礼をするレベルまでになっていると、達成率が上がっていたと記憶しています。合格する前に、すでに合格して、「ありがとうございます」と言っている感覚で、臨場感はかなり上がりますよ。

メール作戦は、みなさまにも本当におすすめです。
ただ、一つだけ、気をつけてください。事前にお礼メールは書いておいていいのですが、宛名は入れないほうがいいですね。思わずポチっとおしただけで、お礼メールが先方に届いてしまいますから、ご注意、ご注意。

あと賞状作戦もいいですよ。ファイナンシャル・プランニング技能検定1級の場合、国家資格ということもあり、大きな賞状が届きます。これも合格する前から、合格者の名前の欄に自分の名前を書いた縮小版を手帳に張って、自分の嬉しい感情を味わったり、家内が「パパ、すごい!」といっているイメージをしてニコニコしたりしていました。

実際そのとおりになりましたが、唯一違っていたのは、賞状に書かれた、資格の認定者である厚生労働大臣の名前だけ。そこは変わってしまっていましたね。
いずれにせよ、よりリアリティをあげていくには、こういったこともいい方法だと思います。

つまり目標達成のコツとしては、

 

〇 目標を紙に書いてリスト化する
〇 毎日、その目標をみる
〇 セルフトークでポジティブ発言をしていく
〇 エフィカシーを高めていく
〇 想像力、臨場感でリアリティを高めていく
〇 達成した自分にワクワクする
  

 

などがあげられます。

コロナ禍の今、この環境だからこそ、わくわくすることを夢、目標にすることも大事なのだと感じます。
アウシュビッツ捕虜収容所のことを書いた『夜と霧』の著者、ヴィクトール・E・フランクルさんは、劣悪な環境の中で、戦争がおわったのちに、自分自身が教授になり、教壇で学生たちに話をしていることをイメージし、そして実現したといわれます。

今、私たちは、コロナという霧の中にいるのかもしれません。しかし、この霧はいずれ晴れます。この霧が晴れた時、どんな素敵な自分になっているのか? なにをしている自分になっているのか? わくわくする未来を夢見て、「未来の記憶」をしっかり書いて、新しい私たち、自分自身に会ってみませんか?
想いは実現します。夢、目標を一緒にたてていきましょう!!


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Profile
山本実之
大手食品メーカーに入社。20代は商社部門で食品原料の輸入販売を担当。30代は食料海外事業部に所属し、シンガポール・プロジェクトをはじめ米国・香港等へ製品輸出を担当し、出張した国は32ヵ国にのぼる。さらに英国との合弁会社にて営業企画管理部長を担当(上司がイギリス人、部下はアメリカ人)。 40代は新規事業立ち上げのリーダーを担当し、その後、営業部長に。40代後半からは研修部長として、人財開発を担当。のちにグループの関連会社の代表取締役社長に就任し、現在に至る。 資格としては、GCDFキャリアコンサルタント(国家資格)、(財)生涯学習開発財団認定プロフェッショナルコーチ、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFPⓇ。デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン公認トレーナー(デール・カーネギー・コース、プレゼンテーション、リーダーシップ)を取得。

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