Interview

お取引先様インタビュー

[人事・教育担当者にうかがう、人材育成への取り組み]

お取引先様インタビュー

経営者の考え方を理解し、一緒に考え、全力で支援することで「お客さまに寄り添える庫員」を目指す

鶴岡信用金庫
常務理事・総務部長 伊藤 晃一 氏 /      人事企画課 課長 伊藤 敦子 氏 / 岡野 大吾 氏 氏 / 武田 洋平 氏 氏 / 小川 健太 氏

Interview

左から岡野 大吾 氏、小川 健太 氏、伊藤 敦子 氏、武田 洋平 氏

山形県鶴岡市に本店を置く鶴岡信用金庫。大正15年(1926)創立の老舗金融機関であり、山形県最大手の信用金庫である。山形県庄内地区と新潟県村上市の一部を事業エリアとし、「信用・信頼・しんきん感」の基本理念のもと、「地域の中で最も、身近で、便利で、便りになる」地域に根差した金融機関として多くの地元企業・住民から高い評価を得ている。一方、近年は採用活動の苦戦もあり、人材育成が大きな課題となっている。そこで、2018年に、山形県信用金庫協会で採用されたTACの対話力向上講習に、(鶴岡信用金庫から)
参加、受講いただいた。山形県信用金庫協会では、2018年、2019年に実施されたが、その後、コロナ禍で中止に。その後、2023年より、東北地区信用金庫協会にて、採用、実施している『企業経営アドバイザー資格』研修を導入いただいた。今回、研修に参加して見事に検定合格を勝ち取られた庫員の方3名に研修の感想や学びの効果についてお話を伺った。

―今回、企業経営アドバイザーの法人研修について、庫内では挙手制で募集されたとのことですが、皆さんはどういうきっかけで受講しようと思われたのでしょうか?
岡野:同じ部署に2019年 山形県信用金庫協会にて実施した対話力向上講習に参加して、その後資格を取得した同僚がいて、どんな内容だったかを聞き、法人担当という自分の職場での立ち位置を考えた時、チャレンジした方が良いと思い、手を挙げさせていただきました。

小川:私の場合は、毎年、自己啓発のために何かにチャレンジすることを決めていて、今年は何をしようか考えていたタイミングだったのと、前年に産学金連携コーディネーター研修に参加させていただき、ある程度知識を蓄えた状態なら資格認定まで行けるかなと思って受講を決めました。

武田:私は昨年初めて役職に就いたので、ある程度自信を持って人に教えられるレベルの知識を身につけたいと思いました。パンフレットを見ると複合的な知識を修得できるようだったので、チャレンジの一つとして参加させていただきました。

<2024年企業経営アドバイザー認定>武田 洋平 氏

―研修の受講に対してどのようなことを期待していましたか?
小川:弊庫は店舗によってお客さまの業種が偏ることもあり、私の場合は飲食業が多く、製造業のお客さまを担当した経験がありませんでした。それがちょうど受験のタイミングで製造業のお客さまを担当することになり、学んだ知識を活かせる状況になったので、そういう意味では研修に参加した意義があったと感じています。

岡野:私は入庫以来、外回り業務しか経験がなく、さまざまな業種のお客さまを担当してきましたが、その分、知識的には広く、浅くになっていたと感じていました。そこで、講座を受講することで知識を肉づけできるのではないかと考えて勉強に取り組みました。なんとなく分かっている雰囲気でやっていたことを、知識の裏づけによってお客さまと本当のやり取りができるようになればいいなと思いました。

武田:私の場合は本部で何年か経験を積んで渉外業務に戻ったので、渉外の経験不足だったこともあり、まともに融資案件に携われるようになったのがコロナ禍の頃でした。その時期は全業種とも売り上げ悪化の補助として融資を行う状況だったので何とか対応できましたが、コロナ禍が落ち着いた後は業種ごとに経営状況が違い、自分の知識では対応が難しいと感じました。それでもう少し深い、本質的な知識を身につけないといけないと思ったことが一つのきっかけでしたね。

<2023年企業経営アドバイザー認定>岡野 大吾 氏

―業務で忙しい中、実際に企業経営アドバイザー検定の学習をどのように進められたのか教えてください。また、勉強した感想についてもお聞かせください。
小川:勉強はかなり大変でしたね。最初は過去問など問題を解くことばかりやっていましたが、それだと知識が身につかず、試験に落ちてやり方を間違ったことを痛感しました。そこからテキストを読み込む方法に切り替えて、仕事の空き時間などに読むことを繰り返しました。私は朝かなり早く出勤するので業務開始までの時間を有効活用しました。講義の映像もチェックしましたが、テキストとにらめっこしている方が多かったですね。

岡野:私は講座で推奨されているカリキュラムの進め方に乗ることができなくて、苦労しました。伊藤課長からもちゃんと勉強しているのかと何回も確認されて(笑)。それでも受験前の本当にやらなければいけないという時期からは一気に知識を詰め込みました。土日は朝から喫茶店などで講義の映像を倍速で見て、遅れた部分をテキストで補いました。

武田:そもそも受講期間が長かったこともあり、本当はよくないのかもしれないですが、自分としては短距離勝負のつもりで一気にテキストを読み込み、一気に問題を解くというやり方をしました。内容的には財務に関してはある程度知識がありましたが、それ以外の分野が難しかったですね。特に生産管理、人材といったところは大変でした。

<2024年企業経営アドバイザー認定>小川 健太 氏

―学習している中で、この分野・知識は仕事の現場で役立ちそうだなと感じたところがあればお聞かせください。
武田:受講前はローカルベンチマークや事業性評価シートを内容も分からず作っていたので、現在は何か作業をする際に学習しておいてよかったと感じることが多いです。また、先ほどの生産管理や人材など自分が分からない部分については、資料を作る時などに自分より詳しいお客さまに聞きながら一緒に作っていくという考え方になれたことも大きなプラスでした。

小川:飲食業のお客さまと新規事業の立ち上げの戦略をどうするかなどについて話す時、マーケティング分野に関する知識があるかないかで話の盛り上がり方がまったく違うなと感じました。製造業のお客さまについても生産管理の知識がゼロで話すのと、専門用語を理解できているのでは会話のクオリティが変わるので、今まで触れていなかった知識を得ることのメリットを実感しました。
岡野:学んだことは全体的に日々の業務にとても役立っています。自分の中で知ったかぶりをしていたようなところも受験学習を通して肉づけできたと感じていますし、何より経営者の方たちがどこを向いて企業経営に取り組んでいるかという部分を少しずつ理解できるようになったことが大きいと思います。

―お客さまとの対話の中で何か反応があったり、変化したことがあれば聞かせてください。
武田:例えば開業の案件について、お客さまがやりたいことと現実の間にはラインがあって、お客様の希望に沿ったバラ色の提案をするのではなく、一度自分の中で腹落ちするまで検討して書類を作ってからスタートした方が後々スムーズに進むようになりました。ある意味、大変難しい案件ですけども全力で支援します、自分に分からないことはお客さまに聞いて、一緒に考えていきましょうという正直なスタンスで提案した方がうまくいくと実感しています。

岡野:私の担当しているお客さまの中には、スタートアップ企業の若い経営者の方もいらっしゃいます。その方々はご自身の得意分野や会社の強みなどに関して高いレベルの知識を持っていらっしゃることが多いです。そういったお客さまに対しても、企業経営アドバイザー資格の研修で学んだおかげで、サポートやアドバイスをできるようになったかなと思っています。

―政府が企業の事業性評価ツールとして推奨している「ローカルベンチマーク」や「経営デザインシート」についても学ばれたと思いますが、その活用法についてどのように考えられているかお聞かせください。
武田:ローカルベンチマークに関しては伴走支援先への融資の際に使用することもありますが、経営デザインシートについては小規模のお客さまが多く、こちらの人数も足りないのでなかなか難しいのが現状です。ただ、お客さまとの会話の切り口やプランを進める手がかりとして、経営デザインシートの内容を頭の中にイメージしながら話すことができるようになったのはよかったと感じています。

岡野:経営デザインシートに関しては、まだ活用の機会を伺っているところですが、ローカルベンチマークについては、お客さまとじっくり話をして会社の成り立ちや商流などを理解するきっかけになるツールだと思います

―皆さん、貴重なご意見をありがとうございました。続きまして、研修導入にご尽力いただきました伊藤常務理事と伊藤人事企画課長にお話を伺いたいと思います。まず検定合格者の方々のお話を聞かれた感想をお聞かせください。
伊藤課長:企業経営アドバイザーの研修を受講して良かったという声を聞けたことは嬉しいですし、業務において何かしらの役に立っていることが確認できてよかったです。

伊藤常務理事:あれだけの内容を学習して検定に合格したのですから、それを仕事に活かしていただければいいですね。せっかく取得した資格ですから、お客さまと積極的に対話する中でブラッシュアップして、足りないところはさらに勉強していって欲しいと思います。

―金融機関としてお客さまへの対応について課題などがあればお聞かせください。
伊藤常務理事:庫内の業務が細分化されたことで、渉外担当がお客さまと接する時間が以前に比べて少なくなっているような気がします。営業推進部でもお客さまとの面談時間を増やすように指導はしていますが、なかなか難しいのかなと。資格取得などで知識を身につけても活用する機会が減っているというのが現状で、まずはお客さまとの面談時間を拡大することが喫緊の課題だと考えています。

伊藤課長:集金業務がなくなったこともお客さまとの面談時間が少なくなった要因の一つですね。以前は集金に行くからこそ親身になってお金の話をして、深いお付き合いもできたのですが、渉外・営業業務に専念するために集金業務をなくしたのにそれが裏目に出てしまっている感じです。もちろん、訪問先を調整するシステムを導入したり、取引先で研修を受けるジョブチャレンジなども実施していますので、それらを継続することで庫員が業種や企業を深く理解することにつながればと思っています。

伊藤 晃一 氏

―後に、御庫で今後どのような人材育成を目指していくかについてお聞かせください。
伊藤課長:まずはお客さまに寄り添える庫員というのが一番です。そのためには企業経営アドバイザー資格も含めて、多様な知識が求められるはずです。そのようなことを理解して自ら手を挙げて学びたいと言ってくれる人にはできるだけチャンスを与えてあげたいですし、そういう思いを持った庫員を一人でも多く育てていきたい。若手庫員の中にはまだまだ消極的だったり、会話が苦手という人もいますが、できるだけお客さまと接する機会を増やす施策を考えていかなければと思っています。

伊藤 敦子 氏

ご採用研修プロブラム

①企業経営アドバイザー試験対策通信講座
 標準期間:6ヶ月
 使用教材:テキスト、講義動画、添削問題
 形  式:e-ラーニング
 カリキュラム:
 ・基本講義
  企業財務、企業法務、企業経営・企業支援、生産管理、事業性評価
 ・まとめ演習
  知識科目、実践科目

②対話力向上講習
 期  間:1日(6時間)
 使用教材:レジュメ
 形  式:対面