百害あって一利なしはもう古い? 現在の喫煙環境の法律対策と有効活用法

クリーンエア・スカンジナビア株式会社
営業本部 営業第2グループ 部長池田 博之

2025.05.09

「喫煙所は百害あって一利なし」は本当か?

皆さんは「喫煙室」と聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか。
喫煙者・非喫煙者それぞれの立場の違いはあれど、世間一般的には比較的ネガティブな要素のイメージが先行しているのが現状かと思います。
社会の健康志向と東京オリンピック開催が契機となり、日本で初めて分煙環境整備を義務化した法律「健康増進法の一部を改正する法律(通称:改正健康増進法)」が2020年4月1日に施行され、喫煙室の設置基準と運用基準が厳格化されたこともあり、現代のオフィスや飲食店等においては施設内全面禁煙が多数を占めるようになってきています。

全面禁煙で本当に全て解決したのか?

前述の通り法律の厳格化にも後押しされ、現代のオフィスではオフィス内全面禁煙とされているケースが多く、これで全て解決済と思われがちですが、実は見落としがちなデメリットが存在します。
それは屋外喫煙になっても衣服に着いた臭いはなくならないこと、喫煙休憩時間の長時間化、屋外喫煙に出かけた社員の呼び戻しなどによる業務時間のロス等です。
これらのことから、せっかく喫煙者の重役を何とか説得してやっとの思いで社内全面禁煙を実現させたものの、社内アンケートを取ってみると非喫煙者の不満は解消していなかったなどというケースは多々あります。
日本の喫煙率は約16%と言われており 、減少してきたとはいえそれなりの人数の喫煙者が存在していることから、喫煙者と非喫煙者の共存対策はまだまだ必要です。

実は喫煙室にはメリットもある

一方で、喫煙室という場は少なくとも平成初期から中期ぐらいまでは、オフィスなどにおいて部署役職を超えた情報交換の場として重宝されており、「会社の重要事項は会議室ではなく喫煙室で決まっている」などという本気とも冗談とも取れるようなエピソードもよく耳にしました。

筆者は根っからの非喫煙者のため、喫煙室における生産性など一切ないと信じて疑ってこなかったタイプですが、現職では主にオフィスの分煙環境をコンサル提案する立場であり、提案先の色々な方の話を伺っていると、実はさきほどの重要事項決定のエピソードに代表されるように、喫煙室は有効活用される可能性を秘めた設備であることがわかってきました。

現代オフィスが抱えている課題の一つ「コミュニケーション」

2020年に起こった新型コロナウイルスの大流行によりテレワークが急速に広まったことから、現代のオフィスでは社内コミュニケーションの希薄化がしばしば課題として取り上げられています。
テレワークに慣れてしまい効率的な働き方を求めるワーカーと、帰属意識を持ってほしい、出社して同僚や他部門とのコミュニケーションから更に良い仕事に繋げてほしい企業との意識の差が拡大している状況です。
ではその対策をどうするか?
世の中に色々なサービスがありますが、前述の通り日本の喫煙率は約16% あるため、どうせ対策が必要な設備なら、私はその喫煙環境をうまく活用することをお勧めします。

法律を満たしつつ有効活用するには高いハードルも

喫煙室におけるメリットがコミュニケーションだとしても、臭い漏れがあってはデメリットの方が大きくなってしまいます。なにより現在は改正健康増進法の要件を満たしていることが必須となり、法律要件適合の喫煙室 を作るのは相当なコストが必要となります。

具体的には次の3点を満たす必要があります。

【改正健康増進法における喫煙専用室の技術的基準】
 ① 出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が、上中下の3個所で
   秒速2m以上であること。
 ② たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画
   されていること。
 ③ たばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること。

上記②と③は喫煙室であれば通常元々満たしている条件ですが、①の風速を満たすには、入口に手をかざすと風を感じるレベルの強力な排気能力が必要で、数百万円単位の工事費用が必要になる可能性があります。

仮に莫大な工事費用を払ってこの環境を実現しても、概ね3ヶ月毎に法律要件適合チェックの実施と、約3年間のレポート保管が必要とされており、これを自前で対応するのは非常に手間がかかります。
また、喫煙室内が汚れてきて法律要件適合が難しくなった場合は、その都度設備の改修が必要となり、突発的なコスト負担のリスクが続くこととなります。
そこで法律要件を継続的に適合させつつ、基本工事不要で臭い漏れのない喫煙環境としてお勧めさせていただきたい手段が、弊社クリーンエア・スカンジナビア株式会社の提供する「分煙キャビン」です。

法律適合・有効活用可能な喫煙設備「分煙キャビン」

クリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」は次のような特長を備えたレンタル提供型の業務用高性能分煙機です。

 ■ タバコの有害ガスと煙をほぼ完全浄化。臭い漏れゼロ
 ■ 基本工事不要、原状回復不要。電源とスペースがあれば設置可能
 ■ 月額制でメンテナンスも改正健康増進法要件も全て対応
 ■ ドアなし設計のため喫煙者と非喫煙者が共存可能

このような特長により法律適合・臭い漏れのない環境で、喫煙室におけるコミュニケーション、通称「タバコミュニケーション」のメリットを、喫煙者同士だけでなく非喫煙者も一緒に享受することが可能です。


ガラスで囲われた設計のため喫煙者の居場所と休憩時間の可視化が可能です。
喫煙休憩中の上司に急ぎの決裁をもらいたいときも、息を止めて意を決して喫煙室に入るというようなことは必要なく、分煙キャビン入口の外から「部長、タバコ吸いながらで結構ですのでこれの決裁もらえますか?」なんてやり取りも可能になります。

定期メンテナンスで法律要件(有害ガス捕集率、浄化後排出する空気の粉塵量、出入口の風速)適合と性能維持が担保されるほか、レンタルサービスということもあり、仮に喫煙者がいなくなれば、契約満了時点でサービス終了して解約撤去も可能です。

この分煙キャビンのメリットを最も享受できる設置場所としてお勧めするのは、リフレッシュエリア内に設置することです。
あえて非喫煙者の方も休憩されるエリアに設置することで、これまで一緒に休憩する機会がなかった喫煙者と非喫煙者のコミュニケーションのきっかけとなり、まさに「タバコミュニケーション」が社内のコミュニケーション活性化の一助となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
百害あって一利なしと思われていた喫煙室が、実は最新の性能を持つ製品を利用すれば、法律要件をクリアし、臭い漏れがない環境をつくることができ、かつ近年のオフィス課題であるコミュニケーション不足解消に繋げつつ、業務効率改善などの見えないコストの削減にも繋がる可能性があるという点をご理解いただけたのではないでしょうか。

もしこのコラムの内容に思い当たる点があった方は、これを機に是非自社の環境はどうか考え直す機会としていただければ幸いです。
もちろん分煙環境の改善をご検討中の方は是非お気軽にご連絡下さい !

Profile
池田 博之
クリーンエア・スカンジナビア株式会社
営業本部 営業第2グループ 部長

2011年クリーンエア・スカンジナビア株式会社入社、日本法人創業3年時入社のコアメンバー。
入社以来14年間一貫して法人営業として、企業の分煙環境コンサル提案に従事、 600社以上の分煙環境改善に携わってきた。
前職は怪我をしても業務に支障がないインサイドセールスをしながら、 プロ格闘家として活動していたという異色の経歴。
誰とでもすぐ仲良くなれる根明キャラで顧客とのリレーション構築が得意技。

■クリーンエア・スカンジナビアについて


クリーンエア・スカンジナビアは、スウェーデンのストックホルムに本社をもち、4大陸・30か国以上で12,500台以上の導入実績があるグローバル企業です。1988年の設立以来、「分けるべきは煙であって人ではない」をモットーに一貫して健康的な室内空気清浄に特化したソリューションづくりに取り組んでいます。
お客様のニーズを理解し、真の違いを生み出すことができる、比類のない空気清浄ソリューションを提供すべく、コラムでご紹介した分煙キャビン(喫煙ブース)のほか、業務用高性能空気清浄機や厨房用電気集塵機といった製品と、それにあわせた各種サービスをご提供しております。

クリーンエア・スカンジナビア株式会社
https://www.qleanair.jp/

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