コラム
ナトラ合同会社 代表
経営コンサルタント・人財開発コンサルタント
元大手食品メーカー・グループ企業 代表取締役社長
2026.01.30
人は自分自身に対して、一日に何万回も問いかけをしているといわれています。
「今日、何時に起きるか?」
「どんな服を着るか?」
「朝食は何を食べるか?」
「何時に家をでるか」
等々、繰り返し、自分自身に問いかけています。そしてその質問自体が、その人の人生を変えていくといわれています。
人の脳は質問をされると答えを探すようにできているので、どんな質問をされるかによって、その答えはもちろん、考え方も変わってくるのです。
その中で重要なのが、もっとも大切な質問、問いかけ、これが「プライマリークエスチョン」ということになります。
人生で最も重要かつ価値あるクエスチョンが、人生そのものを変えていくといわれています。達成したいことをプライマリークエスチョンと位置付け、問いかけていくと、人はそれを実践しようとするスイッチが入っていくのです。
自分がしっかりとした信念ある問いを自分自身にかけていけば、その答えもおのずとしっかりとしたものとなっていきます。その逆もまた然り、ふわっとした質問だけをしていれば、その問いに対する自分自身の回答もふわっとして、なにかを実現するパワーとなることはありません。
今、多くの方が活用しているChatGPTでも同じことがいえると感じます。
どんなメッセージをプロンプトとして指示するかによって、その解答も大きく変わってしまいます。テニスの壁打ちで、しっかりとボールを打てばしっかりと返ってくるし、適当な角度でボールを打てば、自分の手元には戻ってこないのと同じ現象だとも思います。
米国でこれから最も収入を上げていく人は、どのようなメッセージを生成AIに送るか、これを極めたプロンプトプロデューサーこそが最も収入を得ていくといわれているということもつながるかもしれません。
私たちは、日頃、どのようなプライマリークエスチョンを自分自身に問いかけていますか?
かの自動車王、ヘンリー・フォードはいつも繰り返し自問していました。
「どうしたら、自動車の大量生産が可能だろうか?」
毎日、毎日この問いをしていくことによって、安くて、高品質な自動車を生産することに成功したのです。この問いの方向性、角度こそが夢の実現につながっていったのだと思います。
会社の中でも、この問いをいかに活用するかで大きく雰囲気を、空気を変えていくことができると思います。
コーチングの世界でも「3分コーチング」といわれる概念があります。まとまった時間をしっかりとらなくても、ちょっとした時に問いかけすることで、コーチングを実現していけるというものです。
これは日常の職場において、上司がどんな問いかけをするかによって、メンバーの行動や考え方に大きな影響を与えていくということです。
私たちは、日頃どんな質問や問いかけをしているでしょうか?
また、どんな意識をして問いかけをしていますか?
たとえば上司が、「今日、儲かったか?」「今日の売上はどうだったか?」という質問を毎日し続ければ、メンバーの頭の中は、「いかに売上を上げるか」「いかに儲けるか」にフォーカスされていき、その考えをもって、行動をしていくことになります。
同じように「今日、お客さんはどんな風に喜んでいたか?」「今日の行動は、お客様の喜びにどうつながったと思うか?」などと問いかけていけば、メンバーはお客様を喜ばせること、お客様の笑顔にフォーカスすることになっていきます。つまり、上司の問いかけの内容によって、メンバーの考え方は変わり、行動も変わっていくのです。

これには会社の社風さえも変えていく力があるといわれています。どの問いがいいとか、いけないということではなく、その問いによってメンバーの思考方法が支配されていくことに気づくことが大切だと思います。
問いかけ一つがメンバーの考え、そして会社の風土、文化そのものを変えていくとしたら、その上の問いかけ、最も価値のある、プライマリークエスチョンの意義はとても大きいと納得できるものだと感じます。
ぜひ、日頃の質問も前向きなものに変えていきましょう。一番パワーのある質問を見つけ、問いかけていくことにより、未来は開け、大きな可能性に突き進んでいくことになります。
では、今、最も大切な問い、プライマリークエスチョンを考えてみましょう。
自分自身にとって、もっとも大切な問いは何でしょうか?
その質を変えるだけで、人生は一瞬にして、方向転換ができるのです。
皆様は、自分のミッション(使命)をお持ちでしょうか?
日本人は、ミッションについての会話をする機会も少なく、ミッションそのものに気づくことも少ないかもしれません。また、そもそもミッション自体をお持ちでない方もいることでしょう。仮に、ミッションをお持ちになっていたとしても、そのミッションを疑問形にして、自分自身に問いかけたことのある方は少ないのではないでしょうか?
2022年に私は、世界No.1コーチといわれるアンソニー・ロビンスのDWD(Date With Destiny)というセミナーに参加して、この概念に気づきました。
このセミナーはとても強烈で、インパクトのあるものでした。リモートで受講していくのですが、開催地はなんとニューヨーク。時差があるリモートのセミナーを日本で、しかもリアルタイムで受講していくのです。
初日のスタートはなんと夜中の0時、そして終了はお昼の12時。日本においては完全なる朝昼逆転でのセミナーとなります。家族にも協力してもらい、とても感謝しています。朝昼逆転していくわけですから、大変な状況です。
にもかかわらず、このセミナーには何百人という日本人が参加していることにも驚きを感じずにはいられませんでした。
このセミナーでは、いろいろなセッションを通じて、人生の学びを深めていくのですが、この中で、自分のミッションを問いかけにして、発表する場面があります。
自分のミッションはなんなのか?
何を大切にして生きていくのか?
どんな場面が自分にとって避けたいことなのか?
何を実現していきたいのか?
自分自身の内面を見つめながら、改めてミッションを確定していき、大きな1枚のシートに書き上げていきます。
その中で、ミッションを築き、プライマリークエスチョンにつないでいきます。
実は、このプライマリークエスチョンはとてもパワフル。自分の魂を響かせるような力強さを感じていきます。
私のミッションは「世界中の人々に愛とゆめと勇気を与えること」となっています。そのミッションをプライマリークエスチョンにしていくと、以下のようになります。
「どのようにしたら、神の導きに感謝し、多くの人たちと幸せをわかちあい、愛とゆめと勇気を与え続けることができるだろうか?」
このメッセージを自分自身に問いかけると、今やろうとしていることにさらなる熱意が、そしてエネルギーがわいてくるのを感じました。ミッションを読み上げることも力をわきあげますが、問い、プライマリーミッションにすることで、よりパワフルになることを感じました。
プライマリークエスチョンによって、いかに実現していくかの手段を考える。どうしても実現したいんだという、自分自身との約束につながっていくことを感じます。この問いこそが、想いを実現していくことにつながる最強の手段ということができるでしょう。
その言葉を聞いて、心に躍動感がある時、わくわく感のある時、達成確率は格段に上がっていきます。

「すべての出来事はあなたへのギフトである」という言葉があります。
いいこと、課題のあること、いろいろありますが、つらいということが、実はいいことだったりするのはよくあることです。
そして人生のあらゆることは、「あなたに起きるのではなく、あなたのために起きている」と考えてみてはいかがでしょうか? より主体的になるし、出来事から学ぶ、出来事に感謝するスタンスになるのではないでしょうか?
出来事そのものに、いいも悪いもない、ただの出来事である。異なるのは、その出来事をどのように解釈していくか、それこそが人生を大きく変革していくことになるのだ。
このことをしっかりみつめることは、人生をより豊かにしていくことにつながると確信しています。あなたの意味づけが、人生の質をきめていくことにつながるのです。つまり、あなたの目の前の出来事をどう意味づけるか、その意味づけがあなたの人生の質を決めていくことになります。
なにかの出来事に対して、「ついてる」といつも思っていれば、それがどんなことであったとしても、あなたの人生にはついてる、と定義づけられます。
そのついてるという波動がまた、ついてる現象をひきよせていく。正確には、いい出来事に気づくようになるということです。
また、マインドをどのように保つかということも、とても大切です。
アンソニー・ロビンスはこういいます。「ビューティフルステート」(美しい心の状態)が最も大事であると。
自分の心がおちつき、美しいスタンスになっていないと、世の中の出来事も正しくみることはできない。ピンクのサングラスをかけていれば、世の中はすべてピンク、青であれば青にそまっていく。自分の世界はそのようにしか見えない。人はみな、自分の色のついたサングラスをかけているといわれています。
偏見ととられることもありますが、育った環境などで価値観が構築されていくので、同じものを見ていても、とらえ方が異なることはよくあることです。
私たちもビューティフルステートを整え、プライマリークエスチョンの活用を通じて、自分の夢を実現していきましょう。
さて、私たちはどんなプライマリークエスチョンを作っていきますか?
そのためにも言葉を大切に、いい言葉を聞き、いい言葉を伝え続けていきましょう。
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