長く不足が叫ばれている電気保安の人材確保のため、いよいよ2022年、第三種電気主任技術者試験(電験三種)の試験制度が変更され、これまで年1回だった試験実施回数が2回に増えることになりました(2021年12月9日発表)。受験チャンスの拡大により、科目別合格制度の有効性がさらに高まることから、社内で研修を展開している企業のご担当者様も、期待感をもっておられることだと思います。
そこでTACは、これらの試験制度の変更点をきちんと把握し、戦略的な受験学習を進め、社内に有資格者を増やしていただくべく、2022年の本試験の傾向と対策を考えるオンラインセミナーを2021年12月7日に開催いたしました。

今回は、たいへんご好評をいただいた、このオンラインセミナーの当日の様子をお伝えする開催レポートをお届けします。

 

 

石田 聖人 講師(TAC電験講座)
 

TAC出版「みんなが欲しかった!電験三種」シリーズの執筆集団のメンバー。 自身は、電気の知識ゼロから独学で勉強を始め、2年で三種に合格。同時に、三種の勉強のみで二種の一次試験全科目合格。 勉強中に苦労した経験から『初学者目線でわかりやすく』がモットー。過去の試験問題を徹底的に分析し、効率よく試験に合格するための『本物の試験対策』をお教えします。

 

 

 

入江 弥憲 講師(TAC電験講座)
大学時代に電験三種に一発合格。現在電験二種1次試験も全科目合格。
初学者に電気関連資格の勉強を人に教えた経験から、電気の知識ゼロから資格取得を目指す受験生に「分かりやすい」と定評があり授業満足度は常に8割以上をキープ。独自の試験分析から、受験生目線で丁寧かつ分かりやすく教える授業が特徴。

 


 

今回のセミナーは、以下の3部構成にて行われました。

 

 ・第1部 2022年本試験に向けての傾向と対策セミナー
 ・第2部 具体的なスケジュールと弊社のご紹介
 ・第3部 質疑応答

 

第1部の冒頭では、前日(12/9)に発表になった来年度の試験における変更点について、説明がありました。今回の変更で最も大きな点については、これまで年1回の試験実施だったものが、年2回の実施(2022年度は上期:2022年8/21(日)、下期:2023年3/26(日)の2回)となったこと、これにより、まだ正式には発表されていないものの、経済産業省の電気保安制度ワーキングクループ資料によれば、最初の科目合格後、累積での4科目合格までの受験チャンスが計5回になる、という2点であるとの説明がありました。
そのうえで、TAC電験講座の入江講師より、この変更点に応じた受験スケジュール(プランニング)についての解説がありました。入江講師からは、これまでに受験生から科目合格の有効期限である3年以内の受験で全科目の合格ができなかったという声が多かったという点を踏まえて、受験生にとっては大きなプラスになるだろうとのコメントがありました。

続いて、近年の試験傾向とTACデータリサーチから読み取る対策として、石田講師も加わり、2021年度の本試験問題についての解説が行われました。
データリサーチとは、本試験当日にWeb上で日本全国の受験生から解答データを収集し、本試験同様の成績処理を行い、精度の高い得点分析結果を提供する、TAC独自の解答分析サービスです。これにより、多くの受験生のデータから、合格基準点の推測ほかさまざまな分析を行っております。
このデータリサーチの結果を紐解きながら、両講師がそれぞれの科目について特徴的な問題を数問ピックアップし、全体の傾向についてのインプレッションを含めた解説を行い、各科目で次のような総評がありました。

 

【理論】例年いえることだが、問題文からは、出題の傾向が変わったと感じるかもしれない。ただ、出題の切り口が変わっているだけで、丸暗記ではなくしっかりと理解している受験生にとっては問題なかっただろう。合格点も例年通りだったように、しっかりとした理解があれば、十分に合格点がとれたと思われる。


【電力】データリサーチの結果からもくみ取れるように、今回は比較的やさしい問題が出題されており、科目合格者も多かった。知識問題については、比較的細かい部分からの出題が多くみられた。また計算問題については、難しいとはいえないものの、やや計算量が多い(ボリュームが大きい)という意味で大変な問題が多かったといえる。


【機械】4科目のなかではもっとも変動が少なく、例年通りの出題だったといえる。受験生にとって「解きやすい問題」と「解きにくい問題」がはっきりと分かれて感じられたかもしれないが、問題自体は非常にオーソドックスであったといえるだろう。


【法規】データリサーチからみると、正答率はそれほど低くないが、問題によっては極端に正答率が低いものがあった。計算については解きやすい問題だったとはいえないが、頻出とされるテーマからの出題が多く、過去問題などでしっかりと対策していれば、問題なかったレベルだといえるだろう。知識問題については、初見でぱっと解ける(わかる)問題は少なかったかもしれない。

 

[2021年度本試験に関する参考ページ]
 資格の学校TAC 電験講座「電験三種 合格発表! 合格基準点・合格率・講師による試験傾向分析」

 

引き続き行われた第2部では、入江講師より、受験までの具体的なスケジュールの組み立て方についての解説がありました。多くの場合、区分けして考えられる新入社員と既存社員の2つのパターンにわけ、各科目の学習を具体的なスケジュールに落とし込む形で説明がありました。なかでも新入社員については、電気回路・電磁気学の学習経験者と未経験者の2パターンにわけ、それぞれに学習上のポイントとなる点の補足がされました。
入江講師は「年2回試験のメリットを最大限に活かし、試験の1回飛ばしをさせない」という点を学習上のポイントとしてお話しされています。

最後にTACが電験三種の学習コンテンツとしてご提供しているものについて、事務局よりご案内をさせていただきました。研修の事例としては、短期間の集中講座や直前まとめ講座、演習講座、また公開模試に加え、自己啓発用の通信講座について、ご説明いたしました。

その後、第3部として質疑応答の時間となりました。
参加者の多くが研修を内製化されている企業のご担当者様ということで、具体的な質問が多くあがりましたが、入江講師が一つずつわかりやすく端的にお答えし、セミナーは盛況のうちに閉幕となりました。

 


 

セミナーにお申込みいただき、当日ご都合により視聴できなかった方につきましては、下記の動画視聴画面に、別途お送りしたパスワードをご入力いただくことで、レコーディングした映像をご覧いただくことができます。

 

★セミナーをお申込みになられなかった方で、視聴を希望される場合には、ページ上部または下部にございます「Contact Us(お問い合わせ)」より「電験三種 2022年本試験に向けての傾向と対策オンラインセミナー視聴希望」とお知らせください。
折り返しTACより、視聴用パスワードをお送りいたします。

欠席された方に当日の模様をご紹介(動画配信)

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