自分の中の「無意識のバイアス」に気づくキッカケに! 三菱総研DCS(株)様にて実施した研修の様子をご紹介【研修レポート】アンコンシャスバイアス研修

TACでは企業の人材育成支援として様々な研修をご提供しています。
今回は三菱総研DCS株式会社様にご提供した、オンラインでの「アンコンシャスバイアス研修」の様子をご紹介します。
ハラスメント対策への意識の高まりから、アンコンシャスバイアス研修のご依頼は増えています。同様の研修では「松竹株式会社様の事例」もありますので、是非ご覧ください。
今回の研修は、女性がより一層活躍できる職場環境を整えることを目指し企画した研修で、その阻害要因の1つとして考えられる”アンコンシャス・バイアス”について、業務アサイン機会の多い課長全員(180名弱)に実施しました。また、お客様のご要望によりケーススタディに重きを置いたアウトプットがメインの研修となっています。
研修の概要は以下の通りです。
アンコンシャスバイアスとは「無意識の思い込み、偏見」を指す言葉です。
人は誰しもアンコンシャスバイアスを持っており、偏見を完全に取り除くことは簡単ではありません。
TACのアンコンシャスバイアス研修では、最初に「バイアス=悪ではありません。ただし、バイアスによって誰かを傷つけてしまうかもしれない。意図せずハラスメントをしてしまうかもしれない。そうならないようにまずは自分のバイアスに気付くところからはじめましょう。」とお伝えしています。
参加者のみなさんにご自身のバイアスを認識していただくために、まずはクイズを行いました。ネタバレになってしまう為詳細は伏せますが、多くの方が見事に「無意識のバイアスに支配されている」ため回答できない結果でした。その結果から自分自身のバイアスに気が付くきっかけにしていただきました。
近年は明らかに悪意をもった発言や行動でのハラスメントよりも、意図しない発言や、良かれと思っての行動のハラスメントが増えています。無意識のバイアスによって、「あなたのためと思って」の行動や発言が、相手にとってはハラスメントに感じられてしまうわけです。
ハラスメント予防のためには、まずはハラスメントの種類を知ることが必要です。
クイズ形式でみなさんにハラスメントの種類の説明をお聞きし、チャットでみなさんの回答を募りました。「聞いたことはあるけど、解説はできない。」という方もいらっしゃいました。
「相手がハラスメントだと思ったらハラスメント」という方もいますが、それは間違いです。パワハラ、セクハラなどは厚生労働省が定義しています。
例えば、パワハラは以下のように定義されています。
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
(厚生労働省 あかるい職場応援団のサイトより)
後半は、前半の講義で学んだポイントを意識しながら、参加者の方にハラスメントにならないようなコミュニケーションを実践していただくパートです。
今回の研修では2つのケーススタディを実践していただきました。そのうちの1つをご紹介します。
入社8年目、今年で30歳になった近藤さん(男性)から来年1年間の育休申請の申し出がありました。
あなたの頭の中では「優秀で人望もある近藤さんが1年間抜けるのは厳しい。なんとか3か月くらいで復帰してもらえないか?」という思いが浮かびます。
とはいえ、昨今の社会状況的に言い方には気を付ける必要がありそうです。
あなたならどのように近藤さんに伝えますか?
受講者には、まず個人で対応策を考え、次にグループで検討していただきます。
グループでの検討が終了したら、実際に何名かの方にロールプレイとして実践していただきました。今回は講師の井上が近藤役(育休申請してきた部下)を演じました。
最初に「おめでとう」と祝福の言葉を述べる方もいれば、いきなり本題から入る方もいます。なんとか育休期間を短縮できないかとお願いし倒す方もいれば、ちょっと強引な手法の方もいました。
中には「多分、ハラスメントだと思うけど敢えてこんな感じでやってみたい」ということで、パタハラ覚悟で「育休を1年とったら今と同じ仕事に就くのは難しいかもしれません。もしかしたら異動になるかもしれませんよ。」とおっしゃた方もおられました。
さすがにこの発言に対しては、別の参加者からツッコミが入りました。
厚生労働省のWebサイトでも「業務上必要な言動」はハラスメントに該当しないとされていますが、労働者の意を汲まない一方的な通告は、ハラスメントに該当する可能性があります。今回のような「1年も育休取ったら戻る場所はない」という旨の発言は脅迫ともとれますので、ハラスメントの可能性が高いといえます。
ケーススタディでは現実に起きる様々な状況を想定し、その時に自分だったらどんな対応をするのかを考え実践していただくことで、理論や理屈だけではない、「実務に役立つハラスメント対策」に役立てていただいております。
「バイアスやハラスメントの種類では初めて聞く用語があり勉強になります。」
「ハラスメントは注意しているつもりでもだんだん忘れてきていることもあるので、良い見直しになります。」
もしバイアスがかかった発言をしてしまった場合は、きちんと謝罪することが大切です。自分の中のバイアスを意識するだけでも、普段使う言葉が次第に変化します。弊社のアンコンシャスバイアス研修をそのきっかけ作りにして頂ければうれしく思います。
TACでは様々な研修を行っています。具体的な研修内容については随時発信していきますので、是非ご参考にご覧ください。