デジタルサービス会社への変革をビジョンに掲げ、自律型人材の育成に力を入れるリコージャパンの取り組みをTAC法人研修が側面からサポートしています!

 

光学機器や事務機器などを製造するメーカーとして広く知られるリコー、その販売会社であるリコージャパンでは、グループ全体で掲げる“デジタルサービスの会社への変革” というビジョンの実現に向けて、リーダーシップの次元を高め、自己や組織のビジョンを描き、組織を動かす自律型人材を育成することを目的とした「コーポレート次世代リーダー育成研修」を展開、経営者の右腕となる人材ともいえる存在である、支社の管理責任者の育成に取り組んでいる。
今回、この研修を実施するにいたったきっかけや背景のほか、実際に研修を受講された方の声、そして今後について、取材にてお話しをお聞かせいただきましたのでご紹介いたします。

 

※取材実施日:2022年8月 *写真撮影時のみマスクを外しています

会社の継続的成長に寄与する
人材を計画的・継続的に育成したい

■はじめにリコージャパンについてお聞かせください。

 

小林智美氏(以降:小林):リコージャパンの事業内容は、さまざまな業種におけるお客様の経営課題や業務課題の解決を支援する、各種ソリューションの提供となります。
具体的には大きく3つありまして、1つ目が複合機やプリンターといった画像機器や消耗品及びICT関連商品の販売と、各種ソリューションの提供です。2つ目は画像機器やICT関連商品の保守、ネットワーク構築と保守、ICT運用業務の代行、そして3つ目がシステムインテグレーションおよびソフトウェア設計、ならびに開発となります。
また近年、特に力を入れているのが、デジタルサービスの展開となります。リコーグループでは、2020年から“デジタルサービスの会社への変革“ をビジョンとして掲げておりまして、主力商品である複合機やプリンターといったオフィス機器の販売を基盤として、様々な企業における経営課題を解決するための提案を中心に据え
た、デジタルサービスの提供を中心とした事業構造への転換を進めているところです。

 

■貴社の基本理念である〝リコーウェイ〞とはどのような内容でしょうか?

 

小島鉄平氏(以降:小島):リコーウェイはリコーグループの日々の判断や活動の基礎となる普遍的な理念として定められたものです。もともとは創業者の市村清が提唱した創業の精神、”人を愛し、国を愛し、勤めを愛す“という”三愛精神“ がもととなっています。
ここ数年、企業の社会に対する貢献や、SDGsといった概念が注目されるようになりましたが、一方で、新型コロナウイルスのことなどもあり、社会は混沌とした状況に直面しています。そんななかで、私たちリコーグループも持続的な成長を図っていくというところで、あらためて基本的な理念としてまとめられたものが、このリコーウェイです。

 

[参考]リコーウェイ(リコージャパンWebsite)

■所属されている経営管理部の概要などをお教えいただけますか?

 

小林:私ども経営管理部のミッションとしては、リコージャパンの企業価値の向上と、継続的な成長に向けた効果的・効率的なサポート、また適正なリスク管理のプロセスの構築、さらには業績向上とリスク低減を実現して経営体質の強化を図る、といったことになります。
具体的な業務内容としては、その主要なものとして、リコージャパンの社内DX化の推進があげられます。たとえば、お客様との商談をスムーズに実施するための電子契約の推進や、お客様の業務効率化を目的とした、電子請求書の展開といったことで、これらを関係部門と協力して推進しています。ほかにも、スタッフ向けの推奨資格の取得支援や、研修の企画推進、業務知識の理解度テストの実施など、コーポレートスタッフ向けのスキルアップ支援のほか、地域横断コミュニケーションの活性化のための企画推進といった業務などを担っています。

 

小島:特に社内D X 化の推進については、リコーグループがD X 会社として生まれ変わるためにも、まずは社内から生まれ変わろう、ということで、積極的に取り組みを進めています。

 

■経営管理部として人材育成の方針をお教えいただけますか?

 

小林:もともとリコージャパンでは、社員が自身の成長に向かって意欲を持って自発的に学んでいくという、”自律的な成長“ を基本方針に掲げていますので、これが経営管理部としての理念にもなっていますね。

 

小島:さきほどのリコーウェイのなかに「私たちの価値観」というものがあります。そこには「CUSTOMER-CENTRIC」「PASSION」「GEMBA」「INNOVATION」「TEAMWORK」「WINNING SPIRIT」「ETHICS AND INTEGRITY」という7つが示されていますが、毎年このなかから一つを用いて、今年はこのキーワードで取り組もう、といった形で進めています。

■「コーポレート次世代リーダー育成研修」導入の背景についてお聞かせください。

 

小林:この研修を実施するに至ったのは、リコージャパンの管理業務部門、機能部門の組織職としての業務を担い、会社の継続的成長に寄与する人材を、計画的・継続的に育成したいと考えたことが、背景となっています。
もちろんこれまでも、同様の目標を掲げた研修を計画し、実行してきたのですが、先ほど申し上げましたとおり、やはりリコージャパンが、DXの会社として生まれ変わるためにも、新たなカリキュラムを組み直して人材育成に取り組もうと考えました。

 

小島:研修の対象者については、職種としては比較的同じ職種・職務の人材となりますが、北海道から九州まで、広く集めています。それぞれの支社で文化であったり、歴史といったものが異なりますので、そこでのコミュニケーション強化も、非常に有用ではないかと考えました。

 

■今回の研修カリキュラムで特にこだわった部分と、TACにご依頼いただいた理由をお聞かせください。

 

小林:特に企画段階で検討したポイントとしましては、戦略やマーケティング、アカウンティングなどの知識取得を基本としつつも、よりコミュニケーション活性化を意識した講義にしたいと考えました。
そんななかで、これまでにTACの研修を利用させていただいていて、しっかりとした実績があるということで、今のリコージャパンの方向性を十分に理解いただいていると感じたことが一つの理由です。また、人財開発室と全社教育とのバランスもとれるということのほか、オンライン研修も積極的に活用されているので、受講者とのコミュニケーションも活発になると考えたのが大きな要因でしたね。

 

研修は本当に貴重な時間で
受講できて本当に嬉しかった!

■続いて、実際に研修を受講された三輪さんにお聞きします。今回の研修の話を最初に聞いたとき、どうお感じになりましたか?

 

三輪晃子氏(以降:三輪):正直にいって、本当に嬉しかったです。営業職や技術職の人材については、さまざまな研修があって、知識やスキルをつける機会があります。また新入社員についても、入社時から継続した研修があるわけですが、スタッフ職として、ある程度キャリアを積んでいくと、そこからは体系的な勉強をする機会があまりないので。私もどこか、これまでの経験や、独学で身につけた知識だけでやっているような感覚をもっていました。
だんだんステージが上がっていくなかで、やはりプレッシャーも感じていましたので、研修を受けることで、これまでの振り返りというか、検証に繋がるかなと。だからこそ頑張ろうと思うことができました。

 

■研修のカリキュラムについては、どんなことを感じましたか?

 

三輪:まず全体をみて、こんなにたくさんの内容を学ぶのかと。またそれに対して、すごい短時間だったので、結構びっくりしました。 研修の前半は戦略やマーケティングといった話がメインで、頭から湯気が出そうな内容でしたが、後半に入ると、プレゼンテーションのやり方や伝え方、考え方といった内容になり、まさに自分が今、つまずいたり、壁を感じていたりするところを教えてもらったような気がします。こういう考え方もあるのか、とか、こういう伝え方もあるのかといったところがわかったのは、非常に良い経験になりました。ファシリテーションスキルとか、本当にすぐ使えそうな内容が多かったところは、ありがたかったです。たとえば会議の有効的な時間の使い方といったところは、今までの会議や打ち合わせはどうだったんだろうかって思うくらいです。

 

■研修を担当した講師についてはどのように感じられましたか?

 

三輪:講師の方のおかげで、研修は本当にすごく楽しかったです。これは本当にお世辞とかじゃなくて、本当に始終楽しかったです。
山本講師は、誰にでも理解できるように、難しい言葉や抽象的な言葉を、誰もがもっている経験などに照らし合わせて、わかりやすく話してくださるので、受講した私達もイメージしやすかったです。笑いもあって、本当に面白かったですし、みんなの雰囲気が良かったのは、やっぱり山本講師のおかげかなって思います。
山本講師は私達が何かちょっとずれたようなこと言っても、絶対に否定しないです。普通ならちょっと間違ったことを言ったら恥ずかしいって感じるものですけど、言っても大丈夫だなって気にさせてくれる。そういう意味で、とても前向きに取り組むことができました。
伊藤講師の研修はオンラインでの実施で、私にとっては内容的に難しい会計の部分だったのですが、とても分かりやすかったです。バランスシートとか、内容的にはちょっと固いところでしたが、理解が進んだ気がします。今まで本を読んだり、大学時代に学んだりしたものの、なかなか難しくて、苦手だと感じていたのですが、伊藤講師の説明を聞いて、なるほど、こういうふうに理解すればよかったんだということがわかりました。

 

■研修を受講していて、ご自身にとっての変化を感じたりしたことはありますか?

 

三輪:研修の前半にIRの情報を読み取るといったこと学んだのですが、私はいままで、そういったところに意識が向いていなくて、自社のリリースなどもあまりしっかりと読んでいませんでした。今回、研修がきっかけになって、自社の決算書などを見てみました。まだしっかりと理解できるまでは至っていないのですが、関心を持つようになりました。
ほかにもプレゼンをする時には、その問題の捉え方やアクションプランをどう立てるかとかいったことを考えて、ストーリーを立てて伝えていくことが大事なんだ、ということを改めて知ることができました。今までは、こんな話し方や伝え方で良いのかな? と、あまり自信をもつことができずにいたのですが、こういう風にしていけばいいんだということが、自分の中でハラオチして、自信にもつながったように感じています。
そういったことも含めて、今までは、ただ自分の仕事を1日1日やること、続けることが私のミッションだと思っていたところがあったのですが、今回の研修で、私もリコージャパンという会社をなにか変えることができる一人になっていこうとしている、そうなるべきなんだな、と感じられたと思います。

 

小島:まさに視座が高まったということですね。

三輪:支社や会社全体を見渡して、問題を洗い出し、イノベーションを考えるといわれても、今まで私はそんなことを考えたことがありませんでした。ただ今回、この研修を受けて、初めて、今、会社はこういったことを考えて、こういう方向に向かっていこうとしているんだな、といったことに気づいて、ようやく理解することができたような気がしています。改めて視野を広めるとか、視座を高めるというのが大事なことだなと気づくことができました。
それに、人を動かすだなんてことを考えたことがなかったのですが、ああ、動かすというのはこういうことなんだな、伝えるってそういうことなんだなということも、少しではありますが実感することができて、私にもできるかもと思うことができました。

 

■そういったご自身の感覚の変化に気づいたのはどのタイミングですか?

 

三輪:研修の2回目か3回目くらいでしょうか。2回目の途中くらいまでは、研修に選んでもらえたのだから頑張ろう、という気持ちだけだったかもしれません。それが、”この研修は何のためにやっているんだろう“ とか、”本当の意味ってなんだろう“ と考えはじめるようになっていきました。”何のためにこんなにお金をかけて、研修をやってもらっているのだろう?“ と考えた時に、目的とか目標とかというのが自分の中でも少しずつ浮かびだして、だんだんと前向きになっていったのかもしれません。
それで途中から、研修のなかでもう少し自分から話してみようとか、講師に直接質問してみようとか、そういった私の心の中、内に秘めた目的というか、目標や目的を作るようになっていきました。それからはどんどんと、もっと聞きたいとか、もっと授業を受けたいと思うようになりました。

 

■研修の最後に成果発表会として、戦略構築に関するプランを発表することになっているそうですね。

三輪:最終回ですね。もう、とてもプレッシャーがかかっています。課題のフレームを見た時に、これは大変だなと。なかなか業務が忙しくて、まだ課題としっかり向き合えていないんです。ただ今回、この取材のこともあって、1回目の研修の資料から、ぜんぶ見直しました。こういうことをやってきたんだなと振り返ったところで、改めて頑張らなくてはと感じました。

小島:成果発表会でのプレゼンは、全7回の研修の集大成になりますから。受講者がどこまで理解力が高まったか、研修の成果が試される場で、どんなビジョンが見られるのか、すごく楽しみにしています。

三輪:これまでにビジョンといったようなことをあまり考えたことなかったので、これからのなりたい姿というものをちゃんともって、自分のこれからの実務や、方向性をしっかり見据えて、取り組みたいです。
今はグループのチーフを務めていますが、これからは、もっとリーダーシップ能力を高めていって、責任を持って支社のことを考えたり、さらに会社のことを考えたりと、視野を広げていければと思っています。

ニーズを吸い上げたうえで、
今後も様々な研修を計画していきたい

■まさに「次世代リーダー」の育成になっているように感じますが、いかがですか?

 

三輪:研修の話をはじめて聞いた時、このタイトルからもプレッシャーを感じました。

 

小島:実は私がタイトルを考えたんです(笑)。

 

三輪:いや、最初は本当にプレッシャーになりましたが、さきほども話したとおり、目標や目的といったものが、自分の中で見えるようになってからは、せっかく研修を受けさせてもらっているのだからと前向きに考えて、もっと聞きたいことを聞こう、もっとみんなと意見を出していこう、というように思えるようになったと思います。

 

■そういう意味で、受講者の方が成長されていて大成功ですね。

 

小島:そうですね。ここまで成果があがったというのはすごく嬉しいです。

 

三輪:今回の研修はとても勉強になりましたし、楽しかったというか、本当に興味深かったです。この研修はまもなく終わってしまいますが、またこういった研修を受けたいです。この次のステップも含めて、もっともっと知識を増やしたいと思っているので、ぜひ次の企画も考えていただきたいです。

 

小島:そういう言葉が聞けると、すごく嬉しいです。やはり、こうして活躍する社員を増やすことが私たちのミッションだと考えていますから。”働く喜び“ というのはリコーグループのポリシーといえるわけですが、その”働く喜び“ を実感できる職場づくりが私たちの役割ですからね。いかに社員の方々が生き生きと過ごすことができる職場づくりを実現するか、いかに企画していくか、ということがミッションだと思っていますので、こういった活躍できる社員を一人でも多く増やしていきたいです。

 

■受講された方の今後のステップについて、どのようにお考えですか?

 

小島:リコージャパンの各支社の管理部門には、それぞれに人事、総務、経理の門番という立場として、支社の管理責任者が置かれています。彼らはいってみれば、経営者の右腕となる人材ともいえる存在なのですが、そういった人材になるための一つのステップとして、この研修があるという認識でおります。

 

小林:受講者の今後のステップとして、研修の成果を発揮するために、より具体的な会社への課題解決提案を実施していただく予定になっています。問題解決のための手法や思考、方法の学びなど、今回の研修の学びを踏まえて、自社や自組織の課題のテーマアップと、自ら解決するための活動というのを実践していただきたいと考えています。
また、今回の研修メンバーでチームを結成して、地域横断のコミュニケーションを深めてもらうとともに、この経験をもとに、各支社の管理責任者へのステップアップを目指していただく形になります。

 

■最後に、研修などに関する今後の取り組みについてお聞かせください。

 

小島:リコージャパンでは年に1回、社員満足度調査がありまして、その中で、教育の機会の提供といった点なども含めた、色々な質問を行っています。そういったなかで、やはり営業職や技術職はメインの職種として、さまざまな教育プログラムをしっかり組み立てているものの、人事や総務、経理といったスタッフについては、まだ教育の機会が少ないといったような意見があがってきています。そこで、調査をベースに、どういった企画が必要かというところを検討しているところです。
また実際に、上席にあたるコーポレートセンター長が、全国の各地域を回って、そこで働く人たちの意見をひとつひとつ吸い上げています。日々の小さな困りごとから大きな問題、課題まで、いろいろなテーマが出てくるので、それに対してどういった研修が必要か、いろいろと考えていきたいです。そこは、私たちのミッションとしてしっかり捉えております。
そのうえで、色々な知識の向上や、ロジカルコミュニケーションの強化など、今後も様々な研修を計画していきたいと思っております。

 

貴重なお話しを聞かせていただき、本当にありがとうございました。

今回の研修プログラムの概要と提案ポイント

■コーポレート次世代リーダー育成研修
(対象:管理責任者候補)

 

【狙い】次世代の経営を担う候補者である管理責任者がリーダーシップの次元を高め、自己・組織のビジョンを描き、組織を動かす自律型人材になる

 

【特色】
•経営・マネジメントの知識向上と実務的成果の両面からアプローチする
•自己の思考スタイルから変革し、経営レベルへ視座を高める内容とする
•定期的にアウトプットの環境をつくり、効果的なインプットを継続させる(7割をワークとする)
•研修で利用するケース、ワークはすべて実務に即した内容とする
•経営戦略、組織体制との関連性を高め、現場の課題と解決策を明確にする
•研修期間中Teamsを使った講師・受講者・担当者の交流の場を設け、意見や情報交換を活発化させることで、更なる成長のためのモチベーションアップをはかる

 

 参加人数:17名
 対  象  者:全国の営業所における管理責任者候補
 実施形態:対面+オンライン
 実施時期:2022年6月~8月
 実施概要:全8回
  管理責任者育成研修 1日7時間×4回
  ステップアップ研修 1日7時間×3回
  成果発表会     1日7時間×1回

 

 

取材対象企業Profile

リコージャパン株式会社
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TEL:03-6837-8800 FAX:03-6673-4546
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