デジタル技術を活用し、生活やビジネスを大きく変革する意味で使われる「DX」。VUCA時代といわれるなかで起きたコロナ禍にあって、今こそ、すべての企業がビジネスを進展させるために、このDXを推進していくべき時だといえます。
しかしながら、人事担当者の多くは、そもそもDXをどのようにとらえればよいか、またどのようにしてDX人財を育成していけばよいのか、答えが見つからない方も多いのではないでしょうか。
そこで改めて人事担当者がどのようにDXをとらえ、どのように社内の人財育成に対応していくべきかを考え、明日からでも取り組めるような指針をお伝えするオンラインセミナーを2021年12月7日に開催いたしました。

今回は、たいへんご好評をいただいた、このオンラインセミナーの当日の様子をお伝えする開催レポートをお届けします。

 

 

大橋知子氏

 

【講演者】 大橋 知子 氏
 有限会社ボランチ21 代表
 

SIベンダー、外資系データベースベンダー、プロジェクトマネジメント・コンサルタント会社等にてPM/BA(ビジネスアナリスト)、営業、講師の経験を経て、プロジェクトマネジメント、データモデリング、ヒューマンスキル系の講師を担う。
最近はDXの本質を事例も含めて「わかりやすく」をモットーに伝授、なかでもPM講座では、受講者の気持ちをぐっと高める研修だと大好評となっている。また講師の傍ら、本気で変革したい若者を支援中。講座ではワークショップスタイル中心に、受講者との交流を重視し、すべての人に「元気にワクワク!」を拡散中。

 


 

セミナーは「DX人財育成の指示を受けたときに考えるべきこと」というテーマからスタート。大橋氏は『カモメになったペンギン』(ジョン・P・コッター、ホルガー・ラスゲバー著、ダイヤモンド社)を取り上げ、とけていく氷山に立つペンギンが、危機が迫ることに気づき、行動していくという書籍の内容を紹介しました。
そのうえで、私たちの周りで起こる変化を説明するため、左右に2枚置かれた比較写真を3組提示しました。1組目は1900年代のニューヨーク五番街を写したもの、そして2組目は2000年代の地下鉄の車内の写真、そして3組目は、ごく最近を写したものです。

 

 ①100年前に起きた変化(NY五番街の写真:13年での変化)
  1900年:たくさんの馬車が行きかう ⇒ 1913年:たくさんの自動車が行きかう

 ②10年前に起きた変化(地下鉄車内の写真:10年での変化)
  2007年:多くの人が新聞を読んでいる ⇒ 2017年:多くの人がスマホを見ている

 ③1年前の変化
  コロナ前:並ぶ・行列 ⇒ コロナ後:(基本的に)すべての人がアプリで予約

 

過去のこととして誰もが知る変化ですが、ビジュアルで見ると非常にインパクトがあります。特にコロナによる変化は、今を生きる私たちに直接的な影響を与えています。このような変化に気づき、人はもちろんのこと、企業も変わらなければなりません。そのうえで、100年前の変化のタイミングで考えれば、車が普及しつつあるなかで、馬車使いを育てることに意味はありませんから、きちんと変化の兆しをとらえ、先をみた人財を採用し、育成しなければならないと説明。ぜひ変革のストーリーを人事主導で描き、未来志向で必要な人を育てていきましょうと呼びかけました。

続く「そもそもDXとは何なのか?」で大橋氏は、DXを「変革 with デジタル(という道具)」つまり「デジタルを使って変革(トランスフォーメーション)すること」と捉えようと話しました。
ご承知の通り「デジタル(技術)」は常に変化・進化をしています。その波は誰にも、どんな企業にも必然的にやってきます。しかもコロナ禍により、そのスピードは増しているのです。そしてその変化は、すぐにビジネスモデルの変化へとつながります。ビジネスモデルの変化の例としては、これまで多くの場面で「モノを売る」ことこそビジネスだとされたものが、今は「価値を生み出す」ことがビジネスになりつつあります。
しかも、それぞれ独立した価値を作っていたものが、だんだんと集約され、つながり、それによりさらに価値があがってきました。これは使う人にとって便利で優しいデジタルのエコシステムが作られたということです。
このように、価値をあげることができなかったら、社会からは淘汰される可能性もあります。だからこそ、こういった新しい価値を生み出すことができる人財を見つけること、また作ることが必要だというわけです。

ではどうすればよいのか、という点で次のテーマ「本当の意味でのDX人財は?」、そして
最後のテーマ「DX推進のために人事ができること」へと進みます。
大橋氏は「DX人財というキーワードをIT人財と混ぜないで欲しい」としたうえで、DX時代に必要な人とは、価値創造ができる人である。つまりそれがDX人財といえるのだと説明します。
そのうえで、溶けていく氷山に立つペンギンともいえる私たちが、ここから変革をとげる(DXを推進する)ためのロードマップとして、次の3段階をあげ、それぞれのシチュエーションで、人事ができることを解説していきました。

 

 ■ 変革を遂げるためのロードマップ
 1.危機感をもって、学びつづける
 2.仲間をふやす
 3.やってみる

 

最後に大橋氏は「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できるものである」というダーウィンの言葉を引用し、今、この瞬間からの変化を呼び掛ける言葉で、説明を締めくくられました。
おだやかでゆったりとした語り口ながら、とても強く届くメッセージを受け、参加者の多くは大きな刺激を受け、変革へのチャレンジを強く意識されたことだと思います。

その後、TAC法人営業2部の神野より、前述の「変革を遂げるためのロードマップ」の各ステップにおいて、TACがご提供できる教育コンテンツについてご説明を加えさせていただき、セミナーは終了となりました。

 

なお、セミナー内でご案内した、最も重要な2ndステップ「仲間を増やす・デジタル化を理解する」におけるトレーニングとしてお勧めの研修のカリキュラムにつきましては、以下をご覧ください。

 

【集合研修】デジタル時代の新たな変革

セミナースライド3

 


 

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