VUCA時代といわれるなかで起きたコロナ禍により、すべての企業がビジネスを進展させ生き延びるため、DXを推進していくべき時を迎えたといえます。その推進役として、経理人材が活躍できることにお気づきでしょうか? 経理業務(財務会計や管理会計)は昔からあるデータの活用であり、経理の方は会社全体のことを数字(データ)で把握することに慣れています。だからこそ、改めてデータサイエンスを学ぶことで、全社のDX推進の旗振り役、データ活用のキーマンになりえるのです。

そこでTACがデータサイエンスと経理の共通点と、経理×データサイエンスの事例を通じて、次世代型経理人材としてのスキルアップ/キャリアアップに必要な学びは何かについて、ご説明するオンラインセミナーを2021年11月26日に開催いたしました。

今回は、たいへんご好評をいただいた、このオンラインセミナーの当日の様子をお伝えする開催レポートをお届けします。

 

 

【講演者】 堅田 洋資 氏
 株式会社データミックス
 代表取締役社長/データサイエンティスト

 

1982年東京生まれ、桐光学園高等学校出身、一橋大学商学部卒業。在学中のインターンにより、ベンチャービジネスの成長と醍醐味を肌で感じビジネスに開眼。卒業後は大手外資系メーカーにて経理、マーケティングを皮切りに、監査法人での事業再生コンサル、ソフトウェア企業からスピンオフした生体センサー新規事業の企画開発を伴う取締役、アルゴリズム開発、営業、データサイエンス、など様々なビジネスの経験をもつ。
2013年サンフランシスコ大学へデータ分析学修士号を取得。
2017年2月株式会社データミックスを設立。
著書:『Excelで機械学習(インプレス)』『フリーライブラリで学ぶ機械学習入門(秀和システム)』
ベンチャー魂を心に、日本中でデータサイエンスをツールにビジネスに貢献できるビジネスパーソンを育成する教育事業を展開。日本を支える企業を深部から根本的に体質改善をする「漢方薬的アプローチ」を続け、本質的なDX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与し、活躍の幅を広げている。

 


 

今回のセミナーは、以下のポイントについて、順に説明していく形で行われました。

 

 ・データサイエンスと経理の共通点
 ・経理人材が作るDXの起点
 ・経理人材が学ぶデータサイエンスの意義
 ・最後に

 

セミナーの冒頭、堅田氏はご自身のキャリアについて、そのスタートが外資系メーカーでの経理担当だったこと、その後、いくつかの企業でお仕事をされたのち、アメリカへと留学、そこでデータサイエンスを学んだということをお話しされました。
そのご説明に、今回のテーマの起点ともいえる「経理とデータサイエンスの相性の良さ」が、ご自身の体験から生まれた考えだということが参加者の方に伝わり、みなさん一気にセミナーの内容にひき込まれていったようです。

 

本編に入り、まず堅田氏は「データサイエンスとは何か?」という問いに、「AIやプログラミング、ロボットのようなものをイメージされる人が多いかもしれませんが」と前置きをしたうえで、「データを通じて身の回りの世界をもっと深く理解して、新しい発見をしようという営み」なのだと説明してくれました。
では「具体的には?」というところでは、経理担当者様が多く出席されているということもあり、例として2つのバランスシートが提示されました。参加者の多くがごく自然に「何が違うのか(変わったのか)」と考えていたかと思いますが、この「データから、企業で起こったことを想像する」ということが、「データサイエンスの基本」なのだと話されました。

堅田氏が繰り返し言及されたのが、「サイエンスという言葉で理系だとは思って欲しくない」ということで、そのうえで、経理の方々は日々データと触れている、気づかないかもしれないけれども触れている。古くからある財務会計はデータの活用であり、原価計算も管理会計もデータ活用の一つなのだ。それゆえデータを見慣れている経理や、人事の方こそ、データサイエンスとの相性が良いのだと説明されていました。

 

ただし、経理とデータサイエンティストは考え方やマインドセットは良く似ているものの、スキルという意味では、経理の方が使うExcelなどのほかにもSQLやプログラミング、統計学、機械学習やAIといった知識が必要となるということで、実際のデータサイエンティストのスキルの概要について、ご説明がありました。
その説明にあたっては、データサイエンティストがどのような課題解決を図っていくか、という点から、そのために必要な考え方やツールの概要を説明していくという流れで進みました。なかでも機械学習については、そのひとつであるニューラルネットワークについて取り上げ、実際にどんなものなのか、そのプロセスのデモンストレーションの実演がありました。

 

最後にまとめとして、ここまでの説明を踏まえたうえで、実際に経理の方がデータサイエンスを学ぶうえでの、学習ステップの全体像へと入りました。

身につけていくべき知識を、これまでのキャリアの延長である「経理とビジネススキル」と、新たな部分としての(リスキリングとしての)「データサイエンススキル」という2つの軸として考え、この両方をバランスよく伸ばしていくことで、従来型の経理スタッフから、全社的なビジネストランスレーターへと進化する手順をお話しいただきました。
なかでも「データサイエンススキル」については、データドリブンを実現する人材育成のための教育として話題となっている「データ分析実務スキル検定(CBAS)」を取り入れることで、スムーズなデータサイエンススキル取得が可能だとご提案いただき、あらためて「経理人材はDX時代に活躍できるビジネスパーソンになれる。そのために、経理とビジネススキルの両方を伸ばすとともに、データサイエンススキルを伸ばすべきだ」と言葉で説明を締めくくられました。

その後、TAC法人営業1部の大内より、経理とビジネススキルを伸ばすためのTACの研修ならびに通信教育のご説明と、あわせて前述の「データ分析実務スキル検定(CBAS)」の受験対策についてのご説明を加えさせていただき、セミナーは終了となりました。

 


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