Interview

お取引先様インタビュー

[人事・教育担当者にうかがう、人材育成への取り組み]

お取引先様インタビュー

ビジネスに寄り添える、
クリエイティブな
『財務人材』の育成を目指す。

東日本旅客鉄道株式会社 安藤 史顕 氏
株式会社JR東日本マネジメントサービス 金子 晃子 氏

Interview

東海東京証券株式会社 早川 直希 氏

2022年4月、組織改正を実施すると発表したJR東日本。コロナ禍を含め急速に変化していく経営環境に対応し、“一人ひとりの社員の働きがいの向上と生産性向上”を目指していく。
その渦中にあり、次世代に求められる『財務人材』の育成を担うのが、本社財務部(※取材当時)の安藤史顕(あんどうふみあき)氏と、グループ会社 JR東日本マネジメントサービス ヒューマンリソース部の金子晃子(かねこあきこ)氏だ。
経理システムの発展により、従来求められていた数字を処理するだけの業務は自動化される中、財務を担当する人材一人ひとりに求められる能力はこれまで以上に多様化されていく。
今回はお二人に、人材育成にかける想いや当社の財務研修を取り入れる理由、そしてこれからの財務人材に求められるスキルについて伺った。

―まずはお二人の自己紹介をお願いします。
安藤史顕氏(以下、敬称略):私はJR東日本本社の財務部にて人材育成や財務部門全体の働き方を向上させていく仕事をしています。2013年にグループ会社のJR東日本マネジメントサービスにて人材育成に携わったことを機に、途中海外への留学をはさんで、足掛け5~6年ほど人材育成業務を担当しています。財務の専門知識を習得するだけでなく、財務会計を通じて会社の施策に貢献できる人材を育成することを目指しています。

金子晃子氏(以下、敬称略):私は2020年3月よりJR東日本マネジメントサービスのヒューマンリソース部に異動となり、現在は主に社内研修を担当しています。入社して今年でちょうど10年が経ちました。これまではずっと経理職で、研修は受ける側でしたが、今は企画をする側になりました。

―コロナ禍の影響もあり、貴社の財務部に求められる人材像にも変化があると思います。
安藤:はい、2019年度より始まったコロナウイルス感染症の猛威は、弊社のビジネスにも大きく影響を及ぼしました。社として、コロナ前から鉄道事業以外を拡大していく動きはありましたが、これから一層積極的に他事業を展開していくにあたり、ビジネスに寄り添える財務人材が必要となってきます。ただ与えられた仕事をこなして数字を処理するだけではなく、ビジネス側との相互理解が求められます。

金子:財務研修を企画する立場として感じることは、「財務だけでは満足しない」という空気感です。DXが注目される中で、役員の方からもITスキルの推進を求められています。TACさんは、財務会計系の印象が強かったのですが、IT系の講座もお願いできるとのことで、今年度はITスキル系の新しい講座を増やしまして、今反応を伺っているところです。

安藤:ITスキルを重要視する背景には、会社としてシステムの改修や様々な業務の自動化推進があります。一般的に、これからはどんどん労働人口は減っていくため、単純作業は自動化し、そういった変化に伴ってITやシステムを使いこなし、クリエイティブに考え動くことが出来る人材が求められます。

―貴社には長く研修を利用していただいていますが、TACを利用した感想や、選んでいただいている理由など教えていただけますか。
安藤:一番良いのはカスタマイズをしてもらえることです。
私が考える財務人材にとって本当に必要スキルは、投資したバリュエーションをしっかりと見極めることができるかです。投資したものが良いものなのか・悪いものなのかを判断するうえでは、財務会計・ファイナンスといった総合力が求められ、それに加えて、ビジネスにおける定性情報なども考えないといけません。私はこれらを財務人材に求めていきたいのです。このような私の想いをTACさんの担当者に伝えましたら、「安藤さんの想いを講師の先生に伝えに行きましょう!」と言っていただきました。普通だったら、TACさんが間に立って「先生に伝えておきます」となるところを、講師に直接アプローチさせてもらえたことには驚きました。
私と講師、TAC担当者と全員でオリジナルの財務研修を作り上げることができ、自社に求められる研修が出来上がったという納得感もありますし、これは世間一般に求められている内容だと自負しています。

金子:私が本当にありがたかったのは、研修がオンラインに移行した際、運営も含めて全ておまかせできる環境だったことです。当然ながら主催である弊社としても研修運営でモニタリングをしておりますが、TACさんは受講者対応も含めて細やかに行っていただけるため、その点はとても助かりました。また講師の先生も積極的にチャットを活用して受講生とのコミュニケーションを取ってくださり、オンラインの機能をうまく活用されていていることが、当時はとても衝撃的でした。実際オンラインになると受講者の参加意欲も低下してしまうものですが、TACさんの講座は受講者も良い反応で、寝る間もありません(笑)。

―人材育成に対するお二人の熱い想いを感じます。研修を企画するうえで、なにか心がけていることはありますか?
安藤:私自身は、受講生が100名いたとしたら一人にヒットすれば良いという考えです。しかしそれは瞬間的な話であって、長い期間を経て100名全員にヒットさせていく必要があります。そのためにはインパクトのある研修、いわゆる個性的な研修が大事だと考えています。
そういう意味で、私が大好きなTACの先生方は非常に個性的で印象に残る方が多いです。人は忘れやすい生き物ですが、ふとした時に「あんなすごいこと言っていた先生がいたな」と気づきにつながったり、「あんなすごい先生でも努力してチャレンジを続けているんだ」と感化されたり、そうやってコンテンツを理解するだけでなく、先生の言葉や人柄までもが受講者に影響を与える研修作りを心がけています。

―今後の人材育成における展望を教えてください。
安藤:コロナ禍を通してオンライン研修が加速していくなかで、ちょっと足りない知識を10分~20分で学べるような、仕事に穴を開けずに必要な知識を習得できる形が今後求められると思います。そのようなスタイルで6時間ぶっ通しの研修と同様の満足度が出るようにするためにはどうすればよいか、考えて工夫していきたいです。
また、私の原点として、福沢諭吉の「一身独立して一国独立す」の教えがあります。個人は生きている以上どんどん成長し、その集まりが組織を、国をつくる。財務人材も、出てきた数字を触るだけではなく、自主性を持ってビジネスをサポートできるよう、もっと様々なスキルを身に付けて成長し、自分の軸を持ってほしいと思っています。

金子:オンラインにはオンラインの良さがありますが、やはりもっとコミュニケーションがとりたいという方も一定数いらっしゃいます。コロナ禍でなかなか集合研修には戻せませんが、例えば、1年間を通して財務人材のエキスパートを目指す、「財務エキスパート研修」の場合は、グループ会社の方が一堂に会して様々なつながりをつくっていくことも大切な意義でしたので、時代にあわせて、うまく使い分けながら良い研修を作っていきたいと思います。また、財務人材には専門的な財務知識ももちろん大事ですが、これからはITスキルやコミュニケーションなどオールマイティーなスキルを身に付けて、想像力を働かせて人や数字を動かす、変化に対応できる人材を育成していかなくてはと考えています。

ご採用いただいた研修について

今回ご採用いただいた「財務エキスパート研修」はTAC財務・会計の中でもカスタマイズされたオリジナルコースとなります。

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安藤 史顕(あんどう ふみあき)

Profile

安藤 史顕(あんどう ふみあき)氏
東日本旅客鉄道株式会社の財務部(2022年6月1日現在)にて、人材育成や財務部門全体の働き方向上に携わる。

金子 晃子(かねこ あきこ)

Profile

金子 晃子(かねこ あきこ)氏
株式会社JR東日本マネジメントサービスのヒューマンリソース部にて、社内研修の企画を担当。

*取材時の所属部門にて掲載しております。また、掲載内容は取材日時点の情報に基づいています。
(取材日:2022年5月)